Kindergarten Children's Knowledge and Perceptions of
Alcohol,Tobacco,and Other Drugs
Ellen J.Hahn,Lynne A.Hall,Mary Kay Rayens,
April V.Burt,Donna Corley,Kristy Lea Sheffel

Journal of School Health 70;51-55;2000

発表者:渡嘉敷 めぐみ(地域看護学教室)
発表日:平成13年5月10日

選定理由:

私は今までにアルコールやタバコ、薬物に関することについて学校で健康教育を受けたことがない。私の身近にタバコを吸っている人はなく、親が吸わないからタバコを吸うことは悪いことだと思っていた。しかしアルコールに関しては親が飲んでいるものだから悪いことだという意識がなかった。そこで本研究の目的でもある子どもの知識と親の行動に関係があるのか興味があり、本文献を選定した。

先行研究レビュー:

JacksonDickinsonによると、5年生の中で定期的に飲酒をしている子どもの59%は1年生や2年生、3年生の間に初めて酒を口にしている。また、5年生でタバコを吸っている子どもの半数は3年生までに初めて喫煙を経験している。
 
Kann らによるとアメリカの9年生から12年生の約31%は13歳より以前にアルコールを初めて飲んでいる。また、今までにタバコを吸ったことがあるのは9年生から12年生で70%であり、そのうち25%は13歳以前にタバコを吸っていた。1997年には9年生から12年生で47%が今までにマリファナを使用したことがあると答え、そしてその10%が13歳以前に試していた。

要約:

<目的>

幼稚園児のアルコール、タバコ、薬物(ATODs)に対する知識や認識を評価し、親のATODsの使用と子どもの知識との間に関連があるのかを調査することを目的とした。

<対象>

レキシントンにある15のハイリスクの小学校(生徒の40%以上が昼食を減らしたり、取らなかったりしている)から無作為に3校選び、呼び掛けに応じたその附属の幼稚園に通う5−6歳の年長児とその親(126人)を対象とした。

<方法>

126人の子どもに対して、ATODsに対する彼らの知識、感情、態度をCDAIを用いて面接質問した。CDAIは絵で現した18枚のカードを用いて、訓練された面接者によって子ども一人一人に対して質問し、ATODsに対する知識、感情、態度を評価するものである。カードにはBunchyという子ぐまを主人公として、親ぐまが行う様々な行動をBunchyが観察している場面が描かれている。これらのカードを子ども達に見せて、それがどのような行動で、Bunchyがどう感じているのか、その行動は良いのか悪いのかを答えてもらう。また、126人の親たちにはATODsの使用を自己報告してもらう。

<結果>

(知識について)

·        ほとんどの幼稚園生がタバコを知っていて、約56%の子どもが少なくとも1つのアルコール飲料を正しく認識していた。

·        半数の子どもは飲酒運転を認識していた。

·        16人(27%)の子どもはマリファナを知っていた。

·        5〜6歳の年長児のうち21人(17%)が少なくとも違法ドラッグにマリファナ、パウダーコカイン又はクラックコカイン、LSDそして注射を用いるドラッグがあることを知っていた。

·        正しくそのものを知っているたいていの子どもは、ドラッグの使用に対して否定的な態度や悪いことであるという感情(悲しいとか狂っている)を持っているけれど、何人かはドラッグ使用を肯定的に見ていた。

·        男の子と女の子では違いはなかった。

(親のATODs使用について)

·        13以上の親たちがタバコやアルコールを使用していた。

·        ドラッグの使用率は大変低く、マリファナ使用の報告は2%であった。

·        毎日使用しているものとして報告されたのはタバコが72%、アルコール85%であった。

·        47%の親たちが過去にマリファナを使用していた。

·        7%が過去にパウダー又はクラックコカインを使用していた。

·        CDAIによると、アルコール又は他の薬物に関する子ども達の知識は、親たちのそれらを使用したという報告と関連はなかった。

<考察>

·        子ども達の大部分がATODsの使用に対して適切な態度と感情を持っていることは安心できることである。しかし、親がビールを子どもに与えていることに対して14以上の子どもが良い感情を持っていることは、子どもと親、双方への早期からのATODs防止プログラムの大切さを示している。

·        子どものATODsに対する知識と親のATODs使用報告とは関連していない。それは他の同居人への調査を行っていないことと、親たちが安心して答えられる状況を作れなかったこと、子どもたちが学校や地域社会でアルコールやタバコ製品の促進や宣伝などにさらされていることが影響しているのだろう。

·        CDAIは子どものATODsに対する態度,感情,知識の測定に有効であると証明された。

·        CDAIは経時的な薬物防止プログラムの効果のチェックに役立つであろう。

本研究の長所と短所:

·        子どもに対して絵を用いた質問を行ったことは、子どもの質問に対する理解が容易であり、答えの信頼性が高いと考えられる。

·        子どもの知識と親のATODsの利用に関連はなかったが、親の利用状況が浅かったり、親からの報告の信頼性が少々低いことから、正しい結果が得られたとは一概には言えないと考えられる。

学校保健への寄与:

日本においてもCDAIを用いた調査研究を行い、子どもの知識と親のATODs使用の関連性を調べ、その結果を用いてATODs防止プログラムを作成していくと効果的な教育がなされると考えられる。