Classroom-based Surveys of Adolescent Risk-Taking
Behaviors
:Reducing the bias of Absenteeism
Guttmacher.S, Weitzman.B, Kapadia.F, Weinberg.S:
American Journal of Public Heath. 2002; 92:235-237
発表者:宮尾 鈴(成人老人看護学教室)
対象論文選定理由:
近年、不登校やいじめ、危険行動に従事するような長期欠席の学生が増え、その研究も実施されるようになってきていると思うが、学校や学級を対象とした調査では、欠席している学生は情報として捉えることができないという欠点がある。この文献ではこのようなバイアスを減らすことに取り組んでいるため興味を持った。
先行研究レビュー:
現在、青年期の危険行動に関する多くの研究は学校に基づかれ、1日か2日のいずれかかけて明確な時に調査者と教室内において研究対象となる学生が必要となる教室調査といった調査方法論であった。これらの研究実施方法では、重要なバイアスを提示する多くの学生が含まれない可能性を持っている。また、教室の長期欠席の割合は特にさぼる学生においてより高く、正確に測定することが難しい傾向がある。
要約:
(目的):
この調査は教室研究におけるバイアスを減少させるために、たびたび欠席する学生を含む徹底的な努力の成果を調査することを目的とした。
(方法):
ニューヨークにある114の高校うち13の高校の10学年の生徒ら(n=2049)に対して、4つのステージの調査を実施した。ステージ1と2は、教室において調査を実施し、ステージ3と4では、1と2で把握できなかった学生に対し、教室外に場所を取り実施された。財政上の刺激は、教室外の参加の機会に伴い提供された。また、調査の際に、前もって学生及び保護者の同意は得ていた。調査内容は思春期の危険行動の先行研究から引用し(アルコールや薬の使用、性行動、学校欠席の要因と成績など)、1997年に予備調査を実施し、1998年に本調査を実施した。
(結果):
2675名のうち、2049名の学生達が研究に参加した。(回収率77%)それらのうち部分別にみると、1921名(94%)はステージ1と2の間で調査された。集中的な努力を実施したステージ3と4の対象者は128名のみ生じた。調査結果は、ステージ1と2の中で調査した学生たちは、決して正当でない欠席を報告することは後のステージで調査した学生よりしそうになかった。(70%VS56%;p<,01.>たばこを吸う者はより一般的に調査者の中で出席記録が貧しかった。(23%VS16%;p<05>ステージ1と2において面接調査した学生の51%に比較して、ステージ3と4で調査した学生は71%に性的行動が報告された。
ステージ1と2にて面接した学生たちの情報に重み付けによって獲得した推定値と、4つのステージを結合することによって獲得した推定値の危険行動の比較は、とても小さな違いを明らかにした。(典型的な1%ポイントのみ)
(結論):
たびたび欠席する学生(ステージ3と4で調査した学生)の方が、希に欠席する学生(ステージ1と2で調査した学生)よりも危険行動に従事するということを示した。長期欠席の学生たちの所在を突き止めて調査するための集中的な努力にあまり有意差は認められなかった。しかしながら、個々人の欠席の情報に重り付けすることによって、わずかに推定値を改善した。
この研究では教室調査において欠席の学生を捕獲する集中的な努力は、危険行動を推定する上でわずかな改善しか認められるものではなかった。
本研究の長所・短所・問題点と私見:
→ステージ1と2では、このようなインフォームド・コンセントが実施されていたのかわからない。
アメリカにおける調査であり、日本との違いはあると思う。
例えば、武器の所有やマリファナの使用などは、日本の高校生ではあまりみられないのではないか。という感覚を持った。また、教室調査における重要なバイアスを提示する学生の調査を実施したにも関わらず、結論としてはこのような調査を実施する必要はない。というものであり、結局この研究からは、どのような新知見が得られたのか疑問である。
<学校保健への寄与>