Knowledge, Attitudes, and Practices Related to Fruit and Vegetable Consumption of High School Students

高校生における果物と野菜の摂取量に関わる知識、考え方、習慣について

Beech B.M.,et al.

(JOURNAL OF ADOLESCENT HEALTH 1999;24:244-250 )


報告者:仲宗根 千賀子(成人保健学教室)

選考理由:
 最近、日本では少年犯罪の多発が社会問題となっているが、一説によるときれる子供たちの食生活はバランスが悪く、それが精神面へも大きく関わっているのではないかといわれている。日本では健康ブームで食生活と栄養に関する情報が今や飛びかっている状況だが、それをいかに子供たちに実践的に身につけてもらうかが、今後の課題となると思う。
 そこでアメリカの高校生の食生活について意識調査をされた論文があったのでアメリカではどのような状況なのか関心を持ったので選考した。

【要約】
目的:ニューオリンズ地域の地方高校に通っている高校生の果物と野菜の摂取に関わる栄養的知識、考え方、習慣のレベルを評価する。

方法:この研究について基本ラインのデータが報告され、「5つを与えよ:生徒の為の新しい概念」は1991年から開始された「よりよい健康プログラムの為の一日5項目」という国家的なプロジェクトである9つのNCIのうちのひとつを意味している。果物と野菜についての22の栄養的関連項目を含む調査が2213名の生徒の知識の評価に用いられた。

結果:平均して青年たちは39%の正しい知識点数を得た。白人青年はアフリカ系アメリカ人青年より高得点を得るという民族的影響を記録した(p < .001)。
 果物と野菜の摂取の頻度における重要な民族的違いはアフリカ系アメリ人青年(2.17杯)が白人青年(2.69杯)の消費より少ない摂取量であるという報告でもっても同様に観察された。スペイン系青年(2.48杯)による消費は他の少数民族(2.55杯)のそれと似ていた。少女たちは少年たち(p < .05)よりも1日に果物と野菜の5杯を食べる能力において、より自信を持っていることが報告された。

結論:果物と野菜について青年たちの知識と摂取量のレベルは低いけれど、より健康的な食習慣について学ぼうとする姿勢は有望なものであった。

先行レビュー:

方法

サンプル:ニューオリンズの学校のシステム管区にある12の高校の生徒たちは取り上げられたグループを介入校(6高校)とコントロール校(6高校)に無作為化する前に基本線データの収集に参加した。実際の調査プログラムの為に一組の計画案は民族性、性別、背景の合う12の高校を6組として使った。ペアにした6校は1校は共学、3校は女子校、そして2校は男子校、どのグループも人種は混合であった。全体に好ましい団体は1994年春の高校において9年生全体の2338名であった。白人83%、スペイン系9%、アフリカ系アメリカ人5%、他民族(例えば、アジア系、インド系)3%、男子44%、女子56%。

1994年春の基本線測定期間好ましい団体の95%(2213名)がKAP(the Gimme 5 knowledge, attitudes, and practices )質問用紙を完成した。人工統計の基本線のサンプルはKAP質問の完成度は好ましい団体と似ていた。(表1)

質問用紙:Gimme5KAP質問用紙は果物と野菜の知識、5-A-Dayプログラムの意識、摂取の頻度、変化の段階、自己効力に関する質問からなる。知識の質問は教育目標と焦点を当てたグループから研究の対象地域の専門家の意見に基づいてツランスクールの公衆衛生と熱帯医学の心理学者や栄養学者からなるチームによって創りだされた。質問は実施される前にパイロットテストをされ見直された。9つの調査を比較対象とする為に手始めに摂取量の頻度、意識的なプログラム、自己効力、変化の段階についての基準が5-A-Dayの作業班によって創られた。このグループは心理学的測定のテストとTranstheoretical Modelと発達についての知識と経験をもつメンバーからなっていた。研究開始前に人間学科委員会により承認された。G5を教育するデータの調査員たちは1994年1月と4月の間、各々12校の9年生へKAP質問用紙を執行された計画案に合わせて配送した。両親と生徒はプログラムの参加に同意するか尋ねられ、拒否した人と欠席者(125名)はすべて測定範囲から除外された。実施はクラスごとに行われ、すべての返答は秘密にされた。

統計的分析:データを分析するのに平均値、中央値、頻度として記述的統計値が使われた。分類されたデータはパーソンのカイ2乗統計値とさらに有意な分割表を使って研究されたBresnahan-Shapiroの直交の分解のテクニックを使って分析された。知識の得点はすべての相互作用を含んだ分散分析を使って分析された。民族や性別の主な影響は分布の差異としてKruskal-Wallis testを使って分析された。Newman-Weuls Studentized range testsは重要な影響のあるペアをなす比較対照に実施された。すべての分析はBMDPまたはSASを使って実施された。

結果

知識について:全部で22の果物と野菜についての栄養学的関連の質問が知識の評価に使用された。

 白人青年はアフリカ系アメリカ人青年より得点が高い。(39.4 % vs. 34.7 % ; p <.001)

 スペイン系青年と他民族系青年では中間であった。(38.1% and 36.8%)

 少女の方が少年より得点が高い。(40.7% vs . 36.6%; p <.001)

5-a-Day Programへの意識:プログラムへの知識は3つの質問によって測定された。

 「よりよい健康の為の5-A-Dayを聞いたことがありますか。」「健康な国民2000を聞いたことがありますか。」「よりよい健康の為の5-A-Dayとは何ですか。」図1.

 最初と2番目の質問には重要な関連が観察された。はいと答えた青年は1.7%、両方の質問にいいえと答えたのは69.5%であった。民族的または性別の違いはよりよい健康の為の5-A-Dayの意識には立証されなかった。「知らない」又は「いいえ」と答えたのは81.5%、果物と野菜の5杯を意味した報告はおよそ42%、5食グループが12%、他の答えが15.8%、「知らない」が29.6%。2番目の質問の「健康な国民2000を聞いたことがありますか。」には「いいえ」、「知らない」の返事が圧倒的で96.2%であった。

 果物と野菜の摂取量の度数:

 変化の段階:

 自己効力:

考察

 青年の栄養学的知識は低く、1日の果物、野菜の摂取量はあまり高くない。

 有意な民族による違いは栄養学的知識と果物と野菜の摂取量にみられた。

 白人青年は栄養学的知識得点がアフリカ系アメリカ人、又は、スペイン系青年よりも高く、一日の果物、野菜の摂取量も高い。

 性別での違いは、女子は男子よりも栄養学的知識が高く、段階の変化と自己効力がみられた。女子には食生活を意識的に変えていこうとする姿勢がみられる。

 栄養学的プログラムは青年たちにどのように理解させ、目標をたてさせ、自分で達成させるかが今後の課題である。

私見

 今回、アメリカの青年の食生活について知ることができたが、恐らく、日本の青年についても同じように、男子より女子のほうが栄養学的知識は高いのではないかと思われる。女子生徒には家庭科の授業があるのが一般的であることもかかわっていると思うが、最近では学校によっては男子生徒にも家庭教育のあるところもあるらしい。しかし、栄養学知識は持っていても、それを自分の問題としてうけとめ、いかに実践に生かし、健康な体をつくる食生活をしていけるように生徒に指導していくことができるかが、今後の課題だと思われる。
 英語になるとなおさら、統計学的なことになるとわかりにくかった。

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