Body Image Perception In Female Mexican-American
Adolescents
Guinn B., Semper T., et al
Journal of School Health.67:112-115,1997
報告者:佐々木 八千代(地域看護学教室)
選定理由:
ボディイメージという言葉は学生時代の講義の症例検討において乳ガン患者の乳房切除後のボディイメージということがあって初めて認識した言葉である。その時の講義で女性にとって特にボディイメージは重要であるということをなんとなく思っていた記憶がある。今回は英語の文献ということで題名を見て決めてしまったのだが、ボディイメージ、思春期女性という言葉に特に興味が湧いた。
先行研究レビュー:
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Bruchは思春期女性より体格や外見に夢中である年齢グループはないと述べている。
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hogeとMcCarthy はRosenbergの自尊感情評価基準を全く包括的で忠実に利用できる思春期の自尊感情研究方法だと評価している。
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Castanedaは現在利用可能なメキシコ系アメリカ人の思春期の研究は、発達の過程に関する基本的な研究の情報が欠如していると主張している。
要約:
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目的
否定的なボディイメージにより思春期女性による過激なダイエットなどの誤った健康行動が行われており、思春期の健康的なボディイメージを発育させることはとても重要なことである。メキシコ系アメリカ人は最大かつ急速に成長しつつある下位集団のラテンアメリカ系社会を構成している。この民族集団におけるボディイメージに関する研究が必要である。この研究はメキシコ系アメリカ人の思春期女性における自尊感情に対するボディイメージ、身体の活動性、そして身体構造の関連性を把握することを目的としている。
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対象
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テキサスのリオグランデ川下流域に位置する3つのMcAllen独立学区にある中学校の2年生で体育の必修授業のなかから選出された。3つの学区から無作為に抽出された。その数は295人であり、各々の学校の中学2年生女性との75%にほぼ近い人数である。調査は調査者により1996年5月に行われた。
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民族構成はメキシコ系アメリカ人86.7% 非ラテンアメリカ系白人11.5% アフリカ系アメリカ人.4% その他 1.4%である。
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方法
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自記式アンケートと身体測定の資料が評価に利用された。
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ボディイメージの調査はSecord-Jourdボディカセシクス評価基準の簡易様式であるDusek評価基準が利用された。16の身体的特徴から成り立ち、1・2の回答は自分自身の体の部分や機能について嫌悪を抱いている、3は中間で4・5は肯定的な感情を抱いていると分類される。理論的な得点範囲は16〜80である。
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自尊感情はThe Rosenbergの自尊感情評価基準が自尊感情を評価するのに利用された。この評価基準は偏りのある回答を回避するために、肯定的項目5つ否定的項目5つを混ぜ合わせた10項目から成り立つ。理論的な得点範囲は10〜40である。
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活動的関連性の程度は公衆衛生局により開発された活動指数が調査に利用された。この指標は3つの項目から成り立ち、回答者が従事している精力的なエアロビクスや体力、健康状態、そして一般的な健康活動に及ぶ範囲を決定するものである。
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身体構造---肥満度はアメリカの健康財団の述べるtriceps and
medical-calf skinford caliperの測定方法を採用した。体重の状態はbody mass
index(BMI)の計算により測定される。
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さらに民族的人口統計数値や年齢が単独項目として評価された。全対象者の調査は50分の授業の中で終了した。
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分析は記述的統計学、ピアソン相関、重回帰分析を含む資料の統計的手法を用いた。
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結果
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調査対象者の295人の生徒のうち254人が自分自身をメキシコ系アメリカ人であると認識している。対象者の年齢幅は13〜15歳で平均年齢は14.4歳であった。ボディイメージの平均得点は46〜30(標準偏差は11.95)であり、実際の得点幅は16〜78であった。この研究における自尊感情評価尺度の平均の内的一貫性は.79程度であった。活動性の平均得点は3.94(標準偏差は2.36)であり実際の得点幅は0〜9であった。Summed
skinfold measurements得点幅は11〜81であり、平均値は36.77(標準偏差13.30)である。一方、BMI評価値幅は15.30〜36.58であり、平均値は22.42(標準偏差4.22)である。相関関係係数によると、ボディイメージは自尊感情の肯定性(r=.421、p<.001)そして活動関連性(r=.267、p<.001)とに相関が見られる。強い負の相関がボディイメージと脂肪質身体構造(r=-.226、p<.001)にみられる。自尊感情は活動関連性(r=.273、p<.001)と肯定的に関連し、一方で脂肪質身体構造は自尊感情(r=-.304、p<.001)と活動関連性(r=-.129、p<.01)の否定性と相関が見られる。脂肪質身体構造は年齢と共に有意な増加を示している。(r=.120、p<.01)
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重回帰分析によると自尊感情は対象者のボディイメージ得点に最も深く関連したものであり、次に脂肪質身体構造が関連していると示された。活動関連性と年齢はボディイメージに重要な影響は及ぼしていない。(決定係数.32)
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結論
この研究の結果はボディイメージと自尊感情に関する既存の研究と矛盾しないものであった。低い自尊感情は思春期女性の体に対する感情の支配操作の欠如を抱くことになる。低い自尊感情を持つ人はより否定的なボディイメージを育みがちである。メキシコ係アメリカ人の思春期の女性の健全なボディイメージを促進するための方法は、自尊感情を高める手法を盛り込むべきである。両親により子供の自尊感情は形成されるが、教育者もまた責任をおう。肯定的なボディイメージと強い関連のある身体の活動性は奨励されるべきである。教師は、各年齢層の個人個人には本来ある体の大きさや形が多様性であることを生徒が受容できるよう実践し奨励しなければならない。個人が定義する体重の差異について、若者を敏感にさせ教育を行うことの役割を引き受けることは、重量過多の汚名を最小限する事の助力となり、また思春期の人が標準範囲内に入る体型の多様性に気楽さを感じることに確実な影響を及ぼす助力となりうる。
私見:
ボディイメージと様々な尺度の関連を見ているが、今回の研究の対象者間で肯定的なボディイメージを持つ者と否定的なボディイメージを持つ者との差がどこにあるのかを明確に出来ればメキシコ系アメリカ人の健全なボディイメージの発育に関連する要因がより明確になったのではないかと思う。
学校保健への寄与:
様々なダイエットグッズが流通しており、健康に悪いものや過激な内容のものも多々ある。今回、思春期女性のボディイメージについて把握できたことで不健康なダイエットやダイエットグッズの選択に影響を及ぼす健康教育を行うことの重要性が示唆された。
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