学校保健管理学特論紙面発表レポートへのコメント
大島知恵(学校保健学教室)
1,A Replication Study of
Reducing the Risk, A Theory-Based Sexuality Curriculum for Adolescents
報告者:桐山雅子
- 日本では、性に関する様々な問題が氾濫している中、学校における性教育は完全に浸透しているわけではなく、実施されていても年に1〜2回程度で終わってしまうことが現状であるように思う。よってこのような効果が証明されているプログラムを現場に取り入れて実行することにより、様々な問題の解決につながるのではないかと感じた。
- このプログラムを実施する前後にアンケート調査を行っているが、事後調査は18ヶ月後であるにもかかわらず効果が持続していたという点から、このプログラムの有効性を感じた。
2,Promoting adolescent
mental health in primary care A review of the literature
報告者:福本利江子
- この論文のように、今までの研究をレビューすることは、思春期における問題を改めて認識し、その対応策を考え直す上で、とても重要なことであると感じた。
- 思春期における情緒的問題に対して今まで対症療法が中心であったが、最近予防的側面が重要視されつつある。そのような中で、初期的予防プログラム等の開発、研究が急務であると考える。
3,Assessment of psychosocial
stress and maladjustment among foreign students of the University of the
Ryukyus
報告者:李 連熈
- 同じ日本という国へ留学していても、出身国によってストレスの感じ方や、ストレッサーが異なるという結果はとても興味深かった。
- このような実体を把握した上で、適切なストレス対処法を実施することによって、留学生が他国でより適応して学習に取り組めるのではないかと感じた。
- 言語的なストレスは、他国から来たので仕方がないが、その他のストレスは、同じ日本でも他県出身者に多かれ少なかれ当てはまる点があると思うので、それらを比較することによって、留学生独自のストレッサーをより細かく把握できるのではないか。
5,看護学生、新人看護婦の喫煙行動要因
報告者:才田 進
- 看護婦の喫煙者が多いというのは以前から知っていたが、看護学生の喫煙率も高く、またこの時期が喫煙開始時期であるということに驚いた。タバコの害をよく知っているはずの看護職に喫煙率が高いということは、知識だけの教育では不十分であり、実践に直接結びつくように教育方法を工夫する必要があるのではないか。
- また、喫煙者には、学生生活や職業に不満を持っている人が多いことから、看護という仕事の厳しさや、理想と現実のギャップがあったのではないかということが感じられる。
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