屋久島・ヤクスギ固定試験地



固定試験地位置図


※ 明るい緑色はヤクスギ純林を示している

《 試験地写真 》
 1. 小花山
1973年設定。面積1.0ha。ヤクスギランドの「150分コース」と太忠岳登山道の分岐点に位置する。試験地内に「蛇紋杉(胸高直径250cm: 1988年測定)」が存在したが,1997年9月の台風19号により倒れてしまった。蛇紋杉は,牛島ら(2005,日本森林学会)により地上7m地点の年輪数が1,031であった(推定樹齢1,100年)と報告されている。
 2. 天文の森
1973年設定。面積1.0ha。ヤクスギランドから太忠岳に至る登山道沿いの通称「天文の森」に位置する。試験地内に「釈迦杉(胸高直径280cm: 2001年測定)」が存在する。2002年に森林総合研究所との共同研究試験地となり,森林総合研究所は面積を4.0haに拡大して調査を実施している。
 3. 二人だけの小径
1973年設定。面積1.0ha。ヤクスギランド内の沢津橋付近から伸びる旧歩道「二人だけの小径」(現在は廃道)脇に位置する。中央に岩石の露出する深い沢が走っている。
 4. 花山
1974年設定。面積1.0ha。焼峰,大龍杉を過ぎた花山歩道沿いの通称「花山広場」と呼ばれる場所に位置する。原生自然環境保全地域にあたり,5試験地の中で唯一世界遺産地域にも含まれる。数百メートルほど鹿之沢方面に進むと,現在東京農大の武生雅明先生が継続調査中の試験地も存在する。
 5. 白谷
1974年設定。面積0.8ha。白谷雲水峡「原生林コース」沿い(二代くぐり杉〜奉行杉間)に位置する。設定時は他の4試験地と同様に1.0haの試験地であったが,試験地の端が森林を形成していない沢の底にかかるため0.8haに縮小された。5試験地の中で最も標高が低く,出現樹種が多い。