シビックプライドのまとめ 227473G 宮城穂花
アムステルダム
要約
アムステルダムでは、「I amsterdam」というフレーズをモットーにアムステルダムをプロモートする目的のキャンペーンが2004年にスタートした。このキャンペーンでは「人」に重きを置き、アムステルダムの建物や景観などではなく、そこに住む市民を軸にしてプロモーションが進められた。
アムステルダムの特色について、歴史的観点からは宗教に寛容という特徴を持ち、現在も進んだジェンダー政策や寛容な麻薬政策が行われる「自由と寛容の都市」といえる。
このキャンペーンでは、市民が都市に魅力を感じ、都市も市民を魅了し続けるという相互関係を築くことを重要とし、「I amsterdam」というメッセージを市民一人一人に向けた。その成果として、アムステルダムは、そこに住む市民が都市に対しての自負を持ち、都市を愛することで、都市と市民の相互作用が起こり、ブランディングが成功したといえる。
感想
「I amsterdam」を読んで、沖縄県は観光の県だといえるが、県外の人の沖縄に対する印象の中にはその対象が海や自然といったモノだけではなく、人が温かいことやうちなータイムと呼ばれるほど独特の時間感覚を持つ県民性から沖縄に良いイメージを持っている人も多くいると思うので、そういった「人」に対するイメージが沖縄に来たくなる要素になっている部分もあるのではないかと感じた。また、沖縄県が他の都道府県とは全く違う歴史や文化を持っていることから、沖縄県民が自分の県に愛着を持っている人が多いのだろうと推測できるため、この異文化感や歴史が県民の結束を深めて、「I Amsterdam」のような自負につなげることが出来るのではないか。
ハンブルク
要約
ハーフェンシティーの開発では、例えばオープンスペースの整備や大学の創立など、その開発自体が市民と関係を構築することを意図しているものが多い。これは、まちの未来が市民とともにあるために、良質な接点づくりが意識されているのである。ここで一番大切にされているのは、ハンブルクの人々やオーディエンスに見守られながらまちが育っていくことである。そのためハーフェンシティーでは開発に関する情報を積極的に公開し、市民や来街者と情報を共有するためのコミュニケーションポイントが設けられているのである。
こういった開発に先立って整備されたのが、発電所をリノベーションしたインフォセンターである。ここでは、開発計画の大きな模型を置いたり、情報を得られる資料や展示物を多く置いたりしており、情報源を利用者自らが引き出せるよう工夫がされている。また、カフェなどの施設を設置することで親しみやすさがある。
このようにハーフェンシティーではインフォセンターにさまざまなコミュニケーションポイントを置くことで先進的な都市再生モデルとしての役割を果たしている。
感想
ハンブルクを読んで、通常の都市開発において市民やそのほかの人々が都市が開発されていく様子や構想などを知る機会は限られていて、得られる情報の量も多くはないのではないかと思った。西原町でもMICE計画などがあったが、町民の私たちも曖昧なまま進んでいて、それについて今どうなったのかや今後どうして行くのかまでは知らない状態なので、開発の中心に情報を得られる拠点があり、開発されていく様子が肌身で感じることのできるシステムがとてもいいなと感じた。沖縄でも沖縄アリーナができたり、バスケットボールが普及してきている沖縄市が活用していくといいのではないか。
ブリストル
要約
ブリストル・レジブル・シティは、「まちにおけるさまざまなプロジェクトをつなぎ合わせる接着剤をつくり出す」試みである。都市にある開発や活動などのさまざまな側面をつなぎ合わせ、都市全体を円滑に機能するように統合することによって、都市自身が居住者や来訪者と直接コミュニケーションし始めるのである。
ブリストルでは、具体的目的をもって「わかりやすい都市」を目指している。この背景として、14世紀半ばまではイングランド有数の都市だったものの、第2次世界大戦で激しい被害を受け、復興の段階で中心市街地が分断されたことにより、「分かりにくい都市」が形成されてしまい、近年ではイングランドにおけるブリストルのイメージが弱くなったのである。
ブリストル・レジブル・シティは、デザインのコンサルタント会社であるCity IDが都市システムからオブジェクトまでをトータルにデザインしており、体験を通して人と都市がコミュニケーションを深め、より打ち解けるためにデザインの挑戦をしている。
感想
ブリストルを読んで、この都市の「分かりにくい」「不親切」という都市構造を改善しようとしている部分で、沖縄も戦争の被害からの復興という同じ歴史を持っていて、他の都道府県とは違いアメリカ統治下という時代があったので、電車や地下鉄より車道が先に発達したことで、公共交通機関の劣位性は大きな問題だと思うので、分かりやすくて動きやすくなるような開発が必要だと感じた。
また、1つのコンサルタント会社が都市をトータルにデザインしているという点では、沖縄で活動する中小企業なども参加し、それを統合的に取りまとめるコンサルタント業務を行うことが出来れば、市民に根付く都市開発につなげることが出来るのではないかと思った。
ブリストル
要約
ボルドーは18世紀からフランス内でも観光地として目立った存在だった。しかし、新しい風を吹かすことをしてこなかったため、1995年、アラン・ジュペがボルドー市長に就任し都市再生へと舵を切った。ジュペは「市民に開かれた公共空間」を主張し、都市再生の主役が市民であることを強調した。
ボルドーの開発はガロンヌ川を支柱にして行われた。当初は歴史的景観が残る川の東岸を西岸まで延長するという計画が立てられたが、コストなどの面で難航し、「2つの岸プロジェクト」に変更した。このプロジェクトでは歴史的建造物の残る東岸と全く新しい西岸と対峙している構図にし、緑を利用し一体感を出すというものだった。
このプロジェクトの進捗状況は町全体で変化を楽しむように市民へ公開された。誰でもダウンロード可能なジャーナルや展示会、イベントなどによって市民はこの街の開発をともに感じることが出来る。
感想
ボルドーでは、「2つの岸プロジェクト」が行われていた。同じ川でも東岸と西岸で違った景観なのもユニークでとても面白いなと思った。京都市のように市全体が古都というコンセプトの都市もブランディングができていて良いが、2つの側面があることで味のある街になっていいと思う。
また、都市開発において大事にすることについて、ジュペは市民が主役であることを強調していた。これはこれまで読んで来たシビックプライドと共通する部分であり、都市開発を行う上でとても重要視する必要があることが分かった。都市の開発をどのくらいオープンに市民に公開するのかについてで、市民も街に対する自負や意識が変わるのだと思った。
富山ライトレールのトータルデザイン
要約
日本では、富山県富山市がLRTの事業開発のタイミングでトータルデザインを採用した。ここでは、「高齢社会や環境に配慮した住みやすい街づくり」を基本に「まちづくりと連携した富山の新しい生活価値や風景を想像すること」、「世界へ向けて富山市民が誇れるような路線とすること」を目指している。そして、「快適性・地域性」、「情報発信」、「先進性」の3つをキーワードに対象物のデザインを行っている。車両や電停、ロゴやユニフォーム、市民参加などのさまざまな角度からトータルにデザインしていく。
車両のデザインは、富山の雪をイメージしたスノーホワイトに統一し、電停のデザインには地元デザイナーが参画した。イベントや季節限定のラッピング車両は、地元高校のデザイン科の生徒や幼稚園生、主婦などの多くの市民がその装飾に参加している。
デザインチームだけでなく、地元企業や地元市民まで巻き込むことで自分のまちに誇りを持ってもらうような形を整えている。
感想
富山のLRT事業でトータルデザインを採用したことについて、交通機関は観光客よりも市民の生活に密着したものであるから、どれだけ地域全体を巻き込めるかという部分が重要だと思った。車両のデザインでは、富山の雪を重くなく明るいイメージに転換するようなスノーホワイトと七色の差し色の工夫や、電停を地元デザイナーから公募し他にはないようなデザインにしたのも地元住民の自負心などが芽生えるきっかけになると思った。
また、ラッピング車両で多くの市民が参加しているという点では、那覇の国際通りで子供のイラストのような絵がラッピングされたバスをよく見かけるので、このように市民が地元の開発に参画できるような環境づくりを沖縄でも少しずつでも出来たらいいなと感じた。
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