実験設備



実験設備 ・4軸単結晶X線解析装置
結晶構造を解明するための装置である。実際には試料温度を一定温度に保って(低温から高温まで)データをとり、その温度での結晶構造を得る。結晶構造の温度変化から相転移についての情報を得る。

・示差走査熱量計
一定割合で試料温度を変化させたとき、結晶から生じる熱の出入りを測定する装置。相転移の有無および熱量から相転移についての情報が得られる。

・電気伝導度・誘電率測定装置
結晶の表面に電極を付け平板コンデンサーとして、この結晶コンデンサーの抵抗及び容量を測定し、これらの値から電気伝導度および誘電率を求める。データはコンピュータに取り込まれ、そして処理される。測定は結晶コンデンサーの温度を変えながら行う。相転移点の有無や原子の運動についての情報が得られる。

・電子スピン共鳴装置
結晶にX線を照射して生じさせた不対電子を観測対象とし、これらのスペクトルより結晶内のイオンの対称性についての情報を得る。また温度を変えながらスペクトルやスペクトルの角度変化し、相転移の有無や結晶内のイオンの対称性の情報を得る。研究している結晶では、X線照射によって、SeO3-ラジカルが発生し、これを観測対象にしている。

・イメージングプレート実験装置
試料に照射されたX線からでた回折X線がイメージングプレートにあたると、表面が感光する。その濃淡をレーザーで読みとり、X線強度を得る。短時間でX線強度データを得る利点がある。元々は健康診断に使うX線フィルムの代わりに開発されたものであるが、現在、普及していないことを考えるとコストや利用面での問題があるのかもしれない。

・超音波吸収装置
結晶に超音波を入れると反対の面から、その超音波が反射される。この反射された超音波の帰ってくるまでの時間を測定し、結晶内の音速を測定する装置である。結晶の相の状態が変化したら、結晶内の音速も当然変化することになる。このような変化から、結晶の相転移についての情報を得る。






       
 

電子スピン共鳴装置 示差走査熱量計





        


超音波吸収実験装置 電気伝導度・誘電率測定装置





        
  

4軸単結晶自動X線解析装置






        


イメージングプレート実験装置 結晶育成棚