受験生・入学予定者のための推薦図書


教養書類 法学入門 法学専門教養
 犬になれなかった裁判官
 永遠の仔
 女が学者になるとき
 光源を求めて
 交通死
   -命はあがなえるか-

 沢内村奮戦記
    −住民の生命を守る村−
 沈まぬ太陽

 青春の蹉跌
 宣告
 椎の川
 日本の裁判
 ノーマ・レイ(ビデオ)

 四人はなぜ死んだのか
 リトル・ダンサー(ビデオ)
 わが谷は緑なりき(ビデオ)
 法律学の第一歩@
    法律学への旅立ち
 海洋をめぐる世界と日本
 国際法から世界を見る
    市民のための国際法入門
 国際法講話
    新しい「国際法の話」

 ジエンダーの法律学
 民法のすすめ

教養書類

タイトル 著者 出版社 刊行 推薦者 難易度 コメント等
犬になれなかった裁判官 阿部晴彦 NHK出版   新垣進 A(新垣)  
永遠の仔 天童荒太 幻冬舎   仲地博    弁護士と刑事と看護婦、3人は17年前の幼いころ、小児精神科病棟で出会った。三人の共通の秘密は何か。登山療法中の父親の死は、事故か殺人か。逆転の結末では作家の構想力に舌をまきます。上下900ページの長編ですが、作者の世界にぐいぐいと引き込まれ他の仕事が手につかなくなるので、講義のある日に読み始めるのはやめよう。
 ミステリーの好きな人、家庭内虐待に関心がある人、特に幸せな家庭を作りたいと願う人にお勧めします。(仲地博)
女が学者になるとき 倉沢愛子 草思社   仲地博    一人の女子学生が勉強に物足りなさを感じて、大学院に進む。友人を通して関心を持ったインドネシア研究に打ち込む。同じ研究者の彼との出会いと別れ。得たもの失ったもの。著者はインドネシアの農村研究でコーネル大学(アジア研究のメッカ)で学位を取得、現在慶応大学教授。
 「女はもういらない」といわれることを気にしていったん止まったら倒れてしまう独楽のようにまわり続けたという。女性のハンデイは今日においてもなお大きいが、何かをやり遂げる人の情熱と努力は読む人を奮いたたす。(仲地博)
光源を求めて 大城立裕 沖縄タイムス社   仲地博    著者は芥川賞作家。沖縄第一の知識人が自伝的に半生を語る。戦中戦後の苦難の沖縄現代史をどう生きたか。著者が切り取って見せる沖縄社会の断面は実に鮮烈です。この本で、目から鱗が落ちる思いをする人は多いはず。沖縄の文化や社会に関心のある人はもとより、関心のない人はせめて教養として読んでほしい一冊。(仲地博)
交通死−命はあがなえるか− 二木雄策 岩波新書518 1997 菅谷元彦 B(菅谷)  肉親が交通事故によって死亡した場合に、法的にどのような対応がなされるのか、また実際に子供を交通事故で失った親はそれをどのように受け止め、どうしたのか、ということが書かれている。一つの対応に過ぎないが、考えさせられる本だと思います。(菅谷元彦)
沢内村奮戦−住民の生命を守る村− 太田祖電
増田進
田中トシ
上坪陽
あけび書房 1983 高田清恵    貧困、豪雪、多病−奥羽山脈の真ん中にある人口約4000人の岩手県沢内村は、かつてこの「三大苦」に苦しめられた貧困な過疎の村であった。現在では、かの有名な「生命尊重行政」の村である。住民の命と健康を守ることを第一に考えた村長と村政、全国で初めて実施した高齢者・乳幼児医療の「無料化」、住民自身が「保健委員」となって住民自らの健康と生命を守る「草の根医療」など、1950年代後半から全国で注目される様々な保健・医療の取組みを行ってきた沢内村の、それこそ「奮戦」が綴られている本である。ちょっと「古い」と思われるかも知れないが、地方分権が進められ、また医療制度はじめ年金制度や社会福祉制度など社会保障制度が「構造改革」されつつある現在、住民の立場にたった社会保障の在り方や、地方自治の在り方についてたいへん示唆に富む一冊である。公務員になりたいなあ、と思ってる学生には是非読んで欲しい。(高田清恵)
沈まぬ太陽 山崎豊子 新潮文庫 2001-2002 矢野昌浩    最近刊行された小説を1点だけ紹介します。日本の企業社会において良心をもって生きるための"spirit"に触れることができます。(矢野昌浩)
青春の蹉跌 石川達三 新潮文庫   仲地博    貧しさゆえに野望に燃え人生に挑戦する法学学生江藤。司法試験に合格し金持ちの娘と婚約。しかし、青春の蹉跌(つまづき)はあまりにも大きかった。
 昔からこの本を素材にして社会、人生、青春、結婚、学問の目的を語った法学の先輩は多い。「僕たちはなぜ法を学ぶか」、この本を読んでクラスメートと語るのは有益と思う。(仲地博)
宣告 加賀乙彦 新潮文庫   仲地博    例の超一流大学T大を卒業しながら殺人を犯した楠本に、ついに「お迎え」が来るのは入獄後16年目。全員が死刑囚の拘置所で、それぞれがどのように死と向かいあうか。楠本の手記に感動する女子学生との親密な文通。
 著者は、拘置所に勤務したことのある医者で、多くの死刑囚と交流があり、またその死刑執行にも立ちあってきた経験に基づき描写はリアルである。文庫本上下で1300ページの長編であるが、トイレも食事中も手放せなくなる面白さである。
 怖いものみたさの人にも、生と死の極限を見極めたい人にも、魂の救済を得たい人にも、愛とは何か悩んでいる人にも、閉ざされた世界の人間関係に関心がある人にも、死刑制度を考えたい人にも、お勧めしたい一冊である。(仲地博)
椎の川 大城貞俊 朝日新聞社   仲地博    沖縄北部の山村で幸せに生きていた家族に突然襲った不幸は妻の「らい病」。父は伊江島の戦闘で戦死。夫婦間、親子間の愛情を引き裂く二つの魔物、偏見と戦争。海岸の小屋に幽閉されているのが母親だといううわさで見にきた子どもたちを鬼になって追い払う母。涙とともに読む本です。ハンセン氏病患者の置かれた実態、沖縄戦の実相を知るにも有益です。
 作者は県内の高校の教師。具志川市文学賞受賞作品。(仲地博)
日本の裁判 田宮裕 弘文堂 1989 清水一成    「裁判」とはどういうものかから始まって、そこに関わる裁判官・検察官・弁護士の役割、民事訴訟・刑事訴訟の意義、さらには日本の裁判が抱える深刻な問題をやさしく説明しています。(清水一成)
ノーマ・レイ(ビデオ:アメリカ)     1979 矢野昌浩    レンタル・ビデオ店で入手しやすい映画を3点紹介します。生きること、働くこと、闘うこと、愛することに対する深い共感とともに、近代労働法の前提とする世界が濃密に描き込まれています。(矢野昌浩)
四人はなぜ死んだのか 三好万季 文春文庫 2002 清水一成    15歳の少女が「和歌山毒入りカレー事件」に疑問を抱き、夏休みの宿題レポートとして書き上げた「話題作」です。インターネットを駆使し、文献を調べて真剣に考えるならば中学生でも立派な論文が書ける、という見本です。(清水一成)
リトル・ダンサー(ビデオ:イギリス)     2000 矢野昌浩    レンタル・ビデオ店で入手しやすい映画を3点紹介します。生きること、働くこと、闘うこと、愛することに対する深い共感とともに、近代労働法の前提とする世界が濃密に描き込まれています。(矢野昌浩)
わが谷は緑なりき(ビデオ:アメリカ)     1941 矢野昌浩    レンタル・ビデオ店で入手しやすい映画を3点紹介します。生きること、働くこと、闘うこと、愛することに対する深い共感とともに、近代労働法の前提とする世界が濃密に描き込まれています。(矢野昌浩)

法学入門

タイトル 著者 出版社 刊行 推薦者 難易度 コメント等
法律学の第一歩@
法律学への旅立ち
渡辺洋三 岩波書店 1990 清水一成    法律問題とは何か、判例はどう読んだらいいのか、法律学とはどういう学問であり何のために学ぶのか、法律家はいかにあるべきかなどを、豊富な例を挙げながらやさしく説いてくれています。(清水一成)

法学専門教養

タイトル 著者 出版社 刊行 推薦者 難易度 コメント等
海洋をめぐる世界と日本 村田良平 成山堂書店 2001/10 樋口一彦   所在:琉大図書館本館 閲覧室図書 請求記号(319.1||MU)
国際法から世界を見る
市民のための国際法入門
松井芳郎 東信堂 2001/4 樋口一彦   所在:琉大図書館本館 閲覧室図書 請求記号(329||MA)
国際法講話
新しい「国際法の話」
田畑茂二郎 有信堂高文社 1991/7 樋口一彦   所在:琉大図書館本館 閲覧室図書 請求記号(329||TA)
ジエンダーの法律学 金城清子 有非閣   仲地博    一般に女子の生理機能自体は男子のそれに劣り、女子の55歳は男子の70歳ぐらいに相当する…という判決があるが、ほんとにそう思う?
 やさしいのは男、女どっち?
 男の仕事、女の仕事、性による分業は合理的?
 ジエンダーとは、生物学的性(セックス)に対して人為的な性差のこと。セックスは永久不変だが、ジエンダーは変化してきたし、時代が変化すれば積極的に変化させていかねばならない、と著者は強調している。この本は身近な問題で、社会科学の格好の入門書になる。大学に入学したばかりのあなた、受験勉強から頭を切り替えてみよう。(仲地博)
民法のすすめ 星野英一 岩波新書536 1998 菅谷元彦 C(菅谷)  一般の人々がひろく民法に関心を持ってもらいたい、という意図の下に民法学の第一人者が書いたものです。これから法律学を勉強しようと思っている人たちにぜひ読んでもらいたい一冊です。(菅谷元彦)