大学院科目案内



「行政法の基礎と自治体法学特論」(仲地博)
 行政法の基礎理論の分野と自治体にかかる法制度の分野である。行政も自治体もともに憲法の下にあるということを基点として、その実体を多面的に捉える。分権の時代における新しい行政の理念・自治体のあり方を基本的に考察し、同時に現代に生起する諸問題を解決できるよう法解釈にとどまらず政策法務を視野に入れた教育研究を行う。具体的には、法律の仕組みや判例を種々の文献によってまとめることにより法解釈の訓練をするとともに実態調査を通して具体的に妥当な解決に導く能力を養う。


「行政過程特論」(仲地博)
 行政立法、行政行為、行政指導などの行政手法について、法律等で定められた行政目的を実現する行政過程の中で果たす役割・機能といった動態的視点を重視する。また、この分野における関連文献を読み、議論する中で、行政法の解釈や判例の読み方などの能力を高めるようにしたい。さらに、法務政策も視野に入れた講義内容としたい。


「行政救済特論」(仲地博)
 広義の行政争訟と国家補償を対象として、実効的な国民の権利救済という視点を重視して、個別の論点を研究する。また、当該個別論点に関する文献などを分析し報告してもらう。その中で、行政法の解釈や判例の読み方などの能力を高めるようにする。


「社会保障法(所得保障)特論」(高田清恵)
 社会保障法学における総論と、金銭給付にあたる所得保障法制に関する研究を行う。総論として社会保障法の法体系、法原理および法理念等に関する基礎理論を対象とする。所得保障法制としては、公的扶助(生活保護法)、社会保険(医療保険、年金保険、労働保険)、社会手当(児童手当、児童扶養手当等)を対象とする。現代社会に生じている社会保障をめぐる様々な問題について、法的側面から問題解決する能力の養成を目的とし、そのために必要な知識の修得と思考能力の養成を目指す。
 尚、必要であれば、社会保障法の総論に関するテーマについても扱う。


「社会保障法(社会福祉)特論」(高田清恵)
 社会保障法学のうち社会福祉サービス関連法制を対象とする。すなわち社会福祉の法体系、組織、サービス提供に関する法関係、サービス内容の規制と監督、サービス受給者の権利擁護等について研究する。具体的分野としては、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、母子・父子福祉等を対象とする。現代社会に生じる社会福祉に関する様々な課題について法的側面から問題解決する能力の養成を目指し、そのために必要となる知識の取得及び法的思考力の養成を目的とする。
 尚、必要であれば、保健・医療保障のテーマについても扱う。


「犯罪総論特論」(清水一成)
 刑法学の中で総論にあたる部分である。すなわち、犯罪の積極的成立要件(構成要件該当性、違法性、責任)、犯罪の消極的成立要件(違法性阻却事由、責任阻却事由)、犯罪構成要件の拡張形式としての未遂犯および共犯等をめぐって論争になっている諸点について、理論的検討を加える。さらに刑法の基礎理論として、刑罰を論じる刑罰論、法律としての刑法の性質を論じる刑法論も対象とする。可能な限り具体的なケースを取り上げ、対話型の授業形式を通じて、刑法の理解を深めさせることを目指す。


「犯罪各論特論」(森川恭剛)
 刑法学の各論にあたる部分である。すなわち、生命、身体、自由、名誉、財産などの「個人的法益」を侵害する各種の犯罪、賄賂罪などの「国家的法益」を侵害する各種の犯罪、および放火罪などの「社会的法益」を侵害する犯罪のうち、特に重要と思われるものを適宜ピックアップし、それらの成立要件や他罪との関係などを理論的に検討する。可能な限り具体的なケースを取り上げ、対話型の授業形式を通じて、刑法の理解を深めさせることを目指す。


「刑事手続法特論」(稲葉耶季)
 刑事訴訟手続きの全般について、すなわち、捜査機関による捜査手続、被疑者・弁護人の権利と活動、公訴の提起、公判廷における諸手続、証拠の諸原則、上訴、非常救済手続きなどを対象とする。それらの各段階や事項において生じている重要な問題点を、実務的観点および理論的観点から検討するとともに、妥当な改善策を考える可能な限り具体的なケースを取り上げ、対話型の授業形式を通じて、刑事訴訟法の理解を深めさせることを目指す。


「刑事政策特論」(水野益継)
 犯罪の原因にはどのようなものがあるのか、犯罪者はどのように処遇されるべきかが主たるテーマであるが、さらに、犯罪や非行を行った少年をどのように扱うべきか、基地犯罪や公害犯罪などの特殊犯罪の実態やそれへの対策、犯罪被害者にはどのような支援がなされるべきか、などの近年の刑事政策学・犯罪学上の重要なテーマについても扱う。実務を念頭に置きつつ理論的な検討を行い、対話型の授業形式を通じて、学生が理解を深められるように目指す。


「刑法特論」(稲葉耶季)
 刑法の基礎理論(刑罰論、刑法論)のほか、犯罪総論(犯罪の積極的成立要件論と消極的成立要件論、未遂論、共犯論、罪数論)、犯罪各論(個人・社会・国家的法益を侵害する様々な犯罪の個別的な成立要件の検討)を内容とする。主として将来法曹を目指す者を対象とするので、特に重要と思われる基本事項について、具体的なケースを挙げつつ対話型の授業を通じて、司法試験に合格するだけの理解力を身につけさせる。また修得過程において学生が自分の到達度を知ることができるように配慮する。


「刑事訴訟法特論」(清水一成)
 刑事訴訟法に規定された刑事裁判の手続、すなわち、捜査機関による捜査手続、被疑者・弁護人の権利と活動、公訴の提起、公判廷における諸手続、証拠の諸原則、上訴、非常救済手続きなどにおいて生じる基本的な問題点について、具体的なケースを挙げつつ、対話型の授業を行う。主として将来法曹を目指す者を対象とするので、特に重要と思われる基本事項について、具体的なケースを挙げつつ対話型の授業を通じて、司法試験に合格するだけの理解力を身につけさせる。また修得過程において学生が自分の到達度を知ることができるように配慮する。


「民法(親族・相続)特論」(新垣進)
 有斐閣のジュリスト別冊『家族法判例百選』掲載の判例を教科書にして、受講院生が輪番で理論的に関連の深い4判例づつを報告した後に質疑討論をして、判例と学説の法理論と法運用の変遷から法解釈の方向性を把握させる。

推薦図書:
 法律文化社・浦本寛雄著『家族法』、有斐閣・大村敦志著『家族法』
 特に日本語力の強くない外国人院生用に有斐閣・利谷信義著『家族の法』


「民法(債権)特論」(角田光隆)
 債権の目的や効力などの債権総論、契約や不法行為などの債権各論における重要問題について、対話型の授業形式による具体的な判例研究を通して、民法債権法の理解を深めるように、その法理論と運用の実態を講義する。

 債権の目的や効力などの債権総論、契約や不法行為などの債権各論における重要問題について、対話型の授業形式による具体的な判例研究を通して、民法債権法の理解を深めるように、その法理論と運用の実態を講義する。教科書は、星野英一・広中俊郎『民法典の百年T・V』有斐閣 1998年を利用する。(大学院入学者へ)


「民法特論U」(角田光隆)
 債権の目的や効力などの債権総論、契約や不法行為などの債権各論における重要問題を対話型の授業形式によって、法体系の中で有機的に位置づけられた法理論を学び、リーガル・マインドを身に付けさせるようにする。


「企業組織法特論」(島袋鉄男)
 商法のうち、企業法総論、企業組織法、企業運営法などに当たる部分、特に、株式会社法に重点をおいて、対話型の授業形式により、判例や学説などの理論状況を分析したり、外国法との比較法的な考察を通して、商法の理解を深めさせる。会社法についての基礎的な知識を有することを前提に、具体的な判例等を素材に学生主導で発表や討論を通して事実の分析や問題の所在、法の適用、法理論の構成等について法的な分析能力や思考方法を養うことを目的とする。


「企業取引法特論」(島袋鉄男)
 商法のうち、企業取引法、有価証券法、証券取引法、国際取引法、商法総則、商行為法、海商法、保険法などに当たる部分、特に、各種の企業取引をはじめ、手形小切手取引に関する法について、対話型の授業形式により、判例や学説などの理論状況を分析したり、外国法との比較法的な考察を通して、商法の理解を深めさせる。最小限、手形小切手法について基礎的な知識を有することを前提に、具体的な判例等を素材にして、学生主導で発表や討論を通して事実の分析や問題の所在、法の適用、法理論の構成等について法的な分析能力や思考方法を養うことを目的とする。


「商法特論T」(島袋鉄男)
 商法のうち、会社法に当たる部分、例えば、会社の種類や概念をはじめ、特に株式会社について、その設立から清算までの範囲、すなわち、設立、株式、機関、計算、新株発行、社債、資本減少、合併、分割、解散、清算などにおける重要問題について、対話型の授業形式も採り入れて講義する。主として、将来法曹を目指す者を対象とし、法曹に必要とされる確実かつ高度な法理論の理解力を会社法について修得させる。また、修得過程において、学生が自分の達成度を知ることができるように配慮する。


「商法特論U」(島袋鉄男)
 商法のうち、商法の基礎理論、商法総則、商行為法、手形小切手法などに当たる部分、特に、手形小切手法に重点をおいて、対話型の授業形式も採り入れて講義する。主として、将来法曹を目指す者を対象とし、法曹に必要とされる確実かつ高度の法理論の理解力を商法について修得させる。また、修得過程において、学生が自分の到達度を知ることができるように配慮する。 


「税法」(葭田英人)
 国や地方公共団体による公共サービスの財源である税金の意義と機能、税法の基本原則、租税制度、各種諸税などを対象とし、税法の仕組みを明らかにすることを目的としている。