調査目的

 2001年3月に政府(防衛庁)が発表、提案した沖縄米軍海上基地(名護市辺野古沖)に関する新構想(1997年の1,500m規模に比べ2,600mに拡張、3工法8種類に具体化、軍民共用など)について、1997年の第1回沖縄米軍海上基地学術調査の結果及び今回の海上及び陸上調査など第2回学術調査結果を踏まえて検討を加え、住民生活の安全や自然環境の保全等にとっての問題点を指摘し、今後の判断材料を国民に提供することを目的とした。したがって、第1回学術調査で完了している部分については、今回は省略した。


調査日程

8月段階 政府発表の諸文書(基地の工法、環境影響など)について、第1回学術調査結果及び他の諸知見をふまえて、デスクワークとして検討を加え、一定の見解概要を作成した。
9月段階 9月4〜7日に現地調査(海上及び陸上)、とりわけ海洋の自然環境について調査を行い、第1回調査を補い、政府の提案について検討した。これらを総合し、調査団の見解をまとめ発表した。

調査報告

I. 調査全体の構想

<海上調査>
 政府が指摘する事項の確認と前回調査の補足を課題として、下記の項目につき調査した。
1. 藻場 【資料精査、現地調査:目視・写真撮影・サンプリング】(図-1)
・基地範囲の広がったところのチェック
・政府が藻が増えているとしていることの確認
2. サンゴ 【資料精査、現地調査:目視・写真撮影・サンプリング】(図-1)
・基地範囲拡大による沖合側のチェック
・政府がサンゴが減っているとしていることの確認
3. プランクトン 【資料精査、現地調査:サンプリング・顕微鏡観察】(図-1)
・97年調査結果との比較
・政府が軽視しているテーマの補足




図-1 海上調査の地点と調査項目

<政府資料の検討>
下記の項目につき分析した。
1. ジュゴンに関する検討
2. 流れのシミュレーション結果の検討
3. 工法の安全性に関する検討
4. 工法ごとの環境影響に関する検討
5. 軍事、政治など社会科学的視点を含めた検討
6. その他の事項(100年確率、活断層 etc.)
<総合的判断及び意見> 図-1 海上調査の地点と調査項目


(前ページ)調査団の構成 / (次ページ)II. 調査の方法及び結果  2-1. 藻場について 

/2-2. サンゴについて /2-3. プランクトンについて  /2-4. ジュゴンについて 2-5. 流れのシミュレーションについて  /2-6. 各工法の安全性について 2-7. 各工法の環境への影響について 2-8. 基地機能拡大と住民の被害について 2-9. その他の重要事項 III. 結論

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