3-3. 住民生活への影響 3-3-1. 騒音
普天間基地の撤去の最大の理由の一つが、騒音公害にあるだけに、海上ヘリポートの場合の騒音が心配される。通常、音圧の単位はデシベル(dB)を用いるが、音圧と生活との関係で示すと次のようになる。(ただし、航空機による音質の違いを考慮する必要がある)
音圧(dB) |
事 例 |
0 |
やっと聞こえる音 |
20 |
低いささやき |
40 |
静かな公園・住宅地 |
60 |
普通会話 |
80 |
繁華街 |
100 |
高架線ガード下 |
120-140 |
飛行機エンジン音 (普天間の場合毎日平均150回離着陸(1995)) |
ちなみに、昼間の辺野古海岸での実測値は静穏時で30-40dBであった。これが普天間基地周辺の住宅地では、演習時80〜100dBである。海上基地の場合、基地から住宅地までの距離は1.1〜2.5km(基本案図面より本調査団が計測した値)であるが、音の大きさは風向きや雲などにより敏感に変化する。沖縄本島では、冬には北よりの風が多いが、春から秋には南〜東の風が多く、音圧も1ランク高まることが予想される(図4参照)。また、普天間基地の実態によれば、基地が海上にあったとしても、飛行ルートや演習は陸地上空の場合が多く、騒音被害が軽減されるわけではない。なお、キャンプシュワブ内のヘリコプター音の、辺野古漁港における測音では、70dBをこえる値であった。