年末研究交流集会を開催

沖縄支部

2003年12月10日 年末研究交流集会
琉球大学工学部小会議室

国立移管前後の琉球大学−思い出ばなし− 芳澤 毅 氏(琉大法文学部)
医学・医療と平和 武居 洋 氏(支部代表幹事)


 沖縄支部・琉大分会では、12月10日、琉球大学で年末研究交流会を開催した。長く沖縄支部に在籍してきた2名の会員が話題提供をした。
 芳澤毅氏(琉大法文学部)は、「国立移管前後の琉球大学−思い出ばなし−」と題して、琉球大学の国立移管(1972)に当たって、琉大の規模を小さくしようとする文部省との様々な折衝や、復帰運動や学生運動の盛り上がりの中での大学自治・運営をめぐる様々なエピソードを語った。法人化を前にして、「国立」琉球大学の原点を考える場となった。
 支部代表幹事の武居洋氏は、11月に「核のない世界へ 医療人のための平和テキスト」(平和文化)を共著で出版している。同書の内容も受けつつ、「医学・医療と平和」と題して、被爆11年後の長崎大学医学部に入学して以来の自らの活動を語り、「20世紀、原爆による生命の秩序の破壊、最大の人間破壊を追体験したものの一人として、人間の完全な回復が達成されるまで、永久運動を続ける決意である。医療人の最大の使命はいのちと平和を守ることであると考える」と結んだ。武居氏の講演抄録は沖縄支部ホームページhttp://www.jsa.gr.jp/okinawa/で閲覧できる。
 また、情勢の急展開を受けて、研究集会中に「名護市辺野古沖における海上基地建設事前調査についての見解」案の紹介・検討の時間を緊急に設け、翌日には支部見解にまとめて国・県に送付し、マスコミにも公表した。この見解は、公害調停の申請などその後の運動に役立てられ、県内外の弁護士3名がJSAに入会する契機ともなった。
 続いて行われた懇親会では、堺英二郎氏が琉大での平和教育科目「核の科学」が開講以来20周年を迎えたことを紹介するなど、参加者が近況や問題意識を語り合って夜遅くに及び、いつになく真摯な集いとなった。  

(「日本科学者」科学者通信掲載原稿)

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