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2005年 新入生・卒論生歓迎企画

研究するってどんなこと?

 恒例の新入生・卒論生歓迎企画を行います。自然科学と人文・社会科学からそれぞれ、研究や活動に取り組む面白さや苦労について、まったく分野の異なる方にも分かるように話します。そこから、研究するとはどんなことか、大学とはどんなところか、考えていきます。大学院の新入生も、卒論・修論にとりくむ在学生諸君も、教職員も、どなたでもご参加になれます。琉大が法人化され、「大学とは、研究・教育とは何か」が鋭く問われています。皆さんのお越しをお待ちしています。

と き 4 月22 日(金) 17:30〜20:15  
ところ 琉球大学文系総合研究棟2 階A 会議室
*20:30 より教育学部1 階102 教室で懇親会を行います。

なぜ、教育学の研究に関わったのか コギャル・フリーター・労働市場
上間 陽子(うえま・ようこ 琉球大学教育学部)
 上間氏は昨年赴任の若手教員で、著書に「シリーズ・中学生の世界2『中学生をわかりたい』」(大月書店)など。「大学院時代を振り返る形で自分の研究を紹介したいと思います。」

泡瀬干潟埋立問題にたずさわって 沖縄最大規模の干潟、希少種続出の宝の海を埋めるのか
前川 盛治(まえかわ・せいじ 泡瀬干潟を守る連絡会事務局長/ 元高校教員)
 沖縄島中部東海岸の泡瀬干潟は、琉球列島で最大規模。沖縄で最多の渡り鳥が飛来し、海草や貝類などの希少種が続出しています。ところが、国と沖縄県は、港湾整備事業の土砂捨場とするために泡瀬干潟を埋め立てて、リゾート施設をつくろうとしています。自然環境を、地域と文化を、平和をまもるとりくみを語ります。最新作DVD「泡瀬干潟〜春」上映

特別コメント「研究に生き、社会に生き」 
矢ヶ崎 克馬(琉球大学理学部)
 極低温センターの立ち上げ、平和教育「核の科学」、「わかりやすい科学教室」、理学部体験ツアーなど琉大の誇る教育・研究実践にたずさわってきた、矢ヶ?氏(現理学部長)が、学問・研究とは、大学とは、社会に生きるあり方とは…熱く語ります。
* 入場無料です。懇親会は2000 円(学生500 円)程度です。お誘いあわせてご参加ください。

企画報告 (「日本の科学者」2005.8月号「科学者つうしん」掲載稿)

新歓企画「研究するってどんなこと?」

 沖縄支部は4月22日、琉球大学で恒例の新歓企画「研究するってどんなこと?」を開催した。大学院生時代の研究を振り返って、上間陽子氏が講演した(「なぜ教育学の研究に関わったのか」)。続いて、社会に働きかける現場から泡瀬干潟を守る連絡会事務局長の前川盛治氏が講演した(「沖縄最大規模の干潟、希少種続出の宝の海を埋めるのか」)。最後に、理学部長の矢ヶ崎克馬氏が教育・研究の根幹にあるべき科学的精神についてコメントした。

 上間氏の講演は、「コギャル・フリーター・労働市場」という三題噺で、参加した学生がよく知る世界が研究の対象となりえること、それが様々な手法で研究され議論されること、氏が研究に打ち込んだ都立大学が都により廃校とされたことなどが、強い印象を与えたようである。前川氏は、作成したばかりのDVDの干潟や海中の美しい映像を上映しつつ、干潟・藻場・サンゴ礁で新種・貴重種が続出し、世界的な価値を持つ海域であることが確かめられつつある泡瀬の自然の素晴らしさを紹介した。大学から30分足らずのところにこうした海があり、今まさに埋め立て工事が始まっていることを初めて知った学生も多かった。

 この企画は、大学院の新入生や卒論に取り組み始める4年生を意識して準備している。琉球大学ほか県内の数大学で、案内のチラシを全教員に配布したり、掲示したりして宣伝に努めた。その結果、多様な学年の学生と教員、高校教員など40名余が集まり、予定時間を大幅に超過して活発な論議がなされた。続いて懇親会を行い、交流を深めた。

 企画には入会や転入した新会員が参加し、会場で学部生が準会員となるなど、会の組織にとってもよい機会となった。