琉球大学農学部 森林保護学研究室 研究内容
(1)マングローブ構成樹種の病害
琉球列島の主たるマングローブ構成樹種であるメヒルギ Kandelia candel に、枝枯病を発見しました。メヒルギ枝枯病と命名し、病原として子のう菌類の一種であるCryphonectria
liukiuensis(新称)を提唱しています。本病のほかにも、メヒルギに対して病原性をもった菌類が見つかっており、現在、研究を進めています。沖縄本島などではメヒルギ林の衰退が進んでおり、病害研究はマングローブ保全のためにとても大事です。
琉球列島のほぼ全てのマングローブを調査した結果、メヒルギだけでなく、全ての樹種で枝枯れや衰退などの現象が見つかりました。これらについて1つ1つその原因などを検討しています。
まだ研究の途上ですが、これらの病気が、マングローブ林にどのような(よい/わるい)影響を及ぼしているのか、また病原のカビが、時には海水をかぶるような悪条件下でどのように生活しているのか、興味は尽きません。マングローブの病害については、世界的にほとんど取り組まれていませんので、私たちの研究室の大きな特色になっています。
一方、マングローブの樹体の中で生活し、普段は病気などを起こさない、「内生菌」と呼ばれる菌類の研究も始めました。
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