琉球大学農学部 森林保護学研究室 研究内容
(2)リュウキュウマツの病害
沖縄に数少ない針葉樹の一つ、リュウキュウマツ Pinus luchuensis の病害として、漏脂胴枯病(病原は
Fusarium subglutinans というカビの仲間)と、かの有名な材線虫病(病原はセンチュウの仲間。「松くい虫被害」として知られる病気)に取り組んでいます。
材線虫病は、日本最大の森林病害で多くの研究者が取り組んでいます。沖縄では、沖縄本島、宮古島に侵入が確認されています。
私たちは、森林総合研究所九州支所・沖縄県林業試験場と共同で、リュウキュウマツ材線虫病の発病・流行過程について詳細な研究を2001年から始めました。沖縄本島内に4ヶ所の調査林を設けて、それぞれのマツ林で、材線虫病の病原マツノザイセンチュウ
Bursaphelenchus xylophilus 、病原を木から木へと運ぶ役割をする「運び屋」(媒介昆虫)マツノマダラカミキリ
Monochamus alternatus 、宿主であるリュウキュウマツがどのように活動し、病害が進行しているのかについて調査しているのです。
この研究によって、直接、マツ枯れを防止することはできません。しかし、今後、効果的に材線虫病を防除する方法を確立するためには、是非必要な基礎研究なのです。
石垣島、西表島では漏脂胴枯病と見られるリュウキュウマツの枯死が見つかっています。 さいわい、漏脂胴枯病の被害は沖縄本島では小さくなっており、良いフィールドがないので私たちは研究を休止しています。
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