三者連絡会
(教授職員会・琉大労組・琉病労)
ニュース 第15号

2007年1月29日 事務局 琉球大学教授職員会 (内線 2023)
E-mail: kyoshoku@eve.u-ryukyu.ac.jp
Homepage: http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~kyoshoku/
琉大労組(内線2024) 琉病労(内線7-2099)

団体交渉での焦点

1月23日に団体交渉を行ない、合意された規則改定の諸条項の他、以下のような課題が残されました。

(1) 勤務時間内の組合活動の範囲

 6月の団交の際に議題となった件で、勤務時間内に行なわれる労働組合活動は、原則として正当性はないが、次の場合は認められるとして、「団体交渉に出席する場合」だけが、大学当局側から提示されました。しかし、原則はそうであるとしても、例外として、就業規則や労働協約で認められた場合や慣例的に行なわれること、労使間で認められた範囲のなかでは活動できるというのが、一般的な労働法の理解ではないかと三者連絡会では考えています。これは継続する議題となりました。

(2) センター試験の手当問題

 今回もっとも混迷を深めたのが、この試験手当問題でした。前回の団交では、センター試験の手当については、なにも見解が示されませんでしたが、それ以前の11月に行なわれた第5回入試管理委員会では、「入試手当」の導入が「承認された」と議事録にあります。

 しかし、明けた1月9日に「入試課長」名で「超過勤務手当」についての通知が各学部事務長宛に出され、これに基づいて各学部総務課は、試験担当教員宛に、勤務の振り替えについての通知を行なっています。入試課長名通知によれば、センター試験の一日を振替休日にし、一日を超勤手当の対象に当てるという「案」が示され、これは近日中に入試管理委員会で「決定される予定」であると明記しています。これを受けた各学部総務係の通達は、「1日は勤務日振替、他の1日は超勤手当の支給となります」と断定しています。

 こうした文書を示されれば、担当の教員は確定した方針として信じて疑わず、勤務に従事したのは自然なことだと言えます。

 さらに、この方針を決定するはずの入試管理委員会は、1月18日に「入試手当」の支給を決定しました。翌日付の学長名の通知は、各学部長へ宛てて「入試手当(仮称)」の決定を示しています。このなかで「1. 今年度内に入試手当を新設し,事務職員・教員に一律に支給する」としてあり、2.で「入試手当額については,今後検討する」となっています。

 団交では、新設される「入試手当」は、前述の「超勤手当」とは異なる手当であるとされ、ただしその財源は同じセンターから来る予算の範囲内であると説明されました。

 今年度のセンター試験の予算は、およそ1800万円だそうですが、このうち物件費に約600万円かかるので、残りの1200万円あまりが人件費に充てられます。これを実働人数で割ると、1日あたり約1万1536円になりますが、これを「入試手当」として支払うと、今度は「超勤手当」の財源はなくなります。

 このような経緯からすると、超過勤務手当を信じて休日の振替を行ない、さらに試験前日に、学長名での「入試手当」の支給の通知を受けた上で、勤務に入ったわけですから、当然、超勤手当と試験手当の両方が支給されるはずです。

 また、当局は試験の一日を振り替えて休日を取るように指示してきましたが、振替休日とは、振り替える対象になる休日に入る以前に、振替の申請を済ませておかなければなりません。したがって、もし仮に20日以前に振替の申請をしていない人は、振替休日を取ることはできず、この日は休日労働となり、35%割増の賃金が支給されます。

 試験両日にわたって振り返ることができない人あるいは振替の申請をしていない人は、両日とも休日労働となり割増の対象になります。この申請を遡って振り替えることはできません。それゆえ運用のなかでそうした操作をした場合は、違法行為となります。

 昨年は、こうした振替の申請をめぐって、実際には取れない日に振替休日を入れ、手当が支給されなかった人や、正当に休日労働の割増が支給された人などがあり、不公平感や不満が出ていました。

 団交では、今回の事態にたいして、当局にはまだ方針すら目途がたっておらず、責任ある回答がなされませんでした。

(3) 休日の振り替え問題

 昨年のセンター試験での振替休日が取りにくいという不満から、当局は、現行の前後2週間単位で取れる方式から、4週単位で取れる方式に変えるために新しい協定書を提案してきています。

 上原事業所では、4週単位に変更することを合意していますが、千原では、4週にする必要性のある職種はありません。たんに、センターの時期に2週間よりは4週間の方が、振替休日を取りやすいだろうという理由しか示されていません。

 三者連絡会では、基本的に2週間単位で休日を取るべきであり、どうしても無理な場合、希望する職員の意向を受けて、4週間単位も選択できるという方式を提案しています。週40時間を超えないためには、前後2週間で休日を振り替えるべきだからです。この問題も、継続協議となりました。

(4) 新しい職階「助教」の任期制問題

 周知の通り、来年度4月から職階の名称が変更されます。これまでの助教授は「準教授」になり、助手は「助教」または新しい「助手」となります。この「助教」には任期制を付けることが大学の判断に任されています。教授職員会は、新たな任期制の拡大に反対しており、名称変更の趣旨とは異なる、助教への任期制の拡大に同意することはできません。

 任期制に関しては、各学部の判断を踏まえた上で、規則改正になりますので、当然、交渉事項となります。この問題も今後注視していきます。

(5) 諸規則改定の問題

 以上の問題とは別に、さまざまな規則改定の作業があり、まだ残された課題もありますが、一つひとつ精査して、慎重に審議しながら、決して組合員の不利益変更とならないよう協議を進めていくつもりです。

学長選をめぐる取り組み

 昨年暮れの学長選考会議では、従来通りの「意向調査」を規則に従って実施することを決定しました。

 すでに学長候補者の推薦受付が終わり、29日に第1回の投票管理委員会が行なわれます。その結果、2月5日に公示され、19日に投票、20日に次期学長予定者の決定がなされます。現在、三者連絡会としては、公開質問状の送付と、その回答の配布、公開討論会を準備しています。

 公開質問状は、29日に候補者へ送付し、回答を公示の日までに回収し、ただちに印刷・配布して、2月13日には公開討論会を予定しています。この討論会の内容を起こし、19日までに印刷・配布し、投票のための判断材料を提供するようにしています。投票時間は、朝8時から午後1時までの短い期間ですが、より多くの有権者が投票し、これからの琉球大学をよりよいものにし、学問の府にふさわしい民主的な運営となるよう、呼びかけていきたいと考えています。

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