読書と日々の記録2008.7上

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■読書記録:  12日『アメリカ下層教育現場』 6日『大学授業を活性化する方法』
■日々記録:  12日高校で説明会 6日小学校で授業見学

■『アメリカ下層教育現場』(林壮一 2008 光文社新書 ISBN: 9784334034337 \740)

2008/07/12(土)

 アメリカのチャーター・スクールで1学期間非常勤講師をした筆者の体験ルポである。チャーター・スクールというのは何か特別な学校,というイメージがあったが,筆者によると「チャーター・スクールにやって来るのは,中学時代の成績が悪過ぎたり,一度は公立校に入学したものの辞めざるを得なくなったという類の学生」(p.12)なのだそうだ。

 筆者は週に2回,2コマをずつを担当するが,子どもたちの集中力は長くても50分しか持たない。それを筆者はあの手この手で子どもたちと関係を築いていく(全員に対してではないが)。その過程で,こういう学校に来る子どもたちがどういう子なのか,背景や性格や考え方があらわになってくる。それが非常に興味深かった。

 実は私が本書のタイトルでイメージした内容とは違ったのだが,しかし,本書に書かれているのは,ほんの1校の1学期の様子でしかないが,それは確かにアメリカの下層での教育現場そのものであったし,彼らの暮らす世界は,『ルポ 貧困大国アメリカ』に描かれている世界とつながるものであった。

高校で説明会

2008/07/12(土)

 今週半ば,ある高校に行って,うちの学部の説明会をしてきた。来年度,急遽学部改組をすることになったので,県内の高校に手分けしていくことになったのだ。

 学校に入ったら,コギャル風の子がいたり。昨年度,この学校からうちの大学に進学した実績はゼロということのようだったので(現役学生だけの話かどうかは未確認),どうなるんだろうと不安になったが,説明会場にはまじめそうな子たちが十数人集まっていて,ちょっとほっとした。後で聞いた話だが,特進クラスがあるらしい。それはぜひがんばってほしいなあと思った。

 生徒たちは非常におとなしかったので,これまたどうなることかと思ったが,同行してくれた先生が上手に仕切ってくれて,これも大過なく済んだ。普段,オープンキャンパスはやっているが,高校に直接来たのは初めてである(私もそうだが,おそらくうちの学部としてもそうだろう)。でもこうやって,先生や生徒の生の声を聞き,こちらのことも伝え,相談に乗ってあげるのも,とても大事なことだなあと思った。

■『大学授業を活性化する方法』(杉江・関田・安永・三宅編著 2004 玉川大学出版部 ISBN: 97844724030052 \2,800)

2008/07/06(日)

 大学の授業に協同学習的な要素を取り入れることで授業を活性化しよう,という実践が載せられた本。協同学習を取り入れるのは,「多くの知識,理解は,テキスト,または教師の口から出ることばと学習者を直接結ぶよりは,さまざまな人の間を通って,すなわち,いろいろな人の意見や反応を通して身につけた方が有意義であることがおおい」(p.13)と書かれており,これに関しては全くその通りだと思った。その上で,どのような協同のスタイルをとるかにはさまざまな形がありうる。そういうバリエーションを知ることができた点では本書はよかった。

 たとえば単純には,授業を3択クイズからはじめ,隣の人と説明させあい,もう一度同じ質問をする。その後,15分ほどの講義を行い,また3択クイズと相互説明を行う,なんていうやり方は,通常の講義を少しだけアレンジするだけで実現可能であり,なかなかいいなと思った。

 あるいは,一つのテーマについて,A4用紙1枚に収まる資料を3種類用意し,前半で各自1種類読ませ,後半で3人グループで説明し合わせるジグゾー法もあり,これもちょっと面白いなと思った。実際にやるとしたら,読み込み30分,相互説明と結論生成に30分,発表と講師のコメントに30分でやったらよさそうだ。

 こういう具合に,参考になりそうなところはとても参考になりそうな本だった。もっとも,私には参考になりそうにない教科だったり,少人数の授業だったり,説明がよく分からないものがあったりして,本書全部が参考になったわけではない。そういうことがあるのは,まあしょうがいないだろうけど。

小学校で授業見学

2008/07/06(日)

 とある小学校のとあるクラスに,ちょっと気になる子がいるというので,何回か授業を見せてもらった。気になるというのは,授業に集中していない,というようなことなのだが。

 授業を見せてもらい,私はその子の様子を中心に観察し,見えたことや思ったことを口頭+紙に書いてお伝えした。こういう観点をもって授業を見たことはあまりなかったので,この作業は私にとってもなかなか興味深いものだった。

 結局,半月に渡って3回授業を見せてもらったのだが,その間にその子の様子は,かなり良くなった。初回は半分以上の時間,授業に集中していなかったのだが,3回目には,ほとんど問題ないぐらいに授業に集中していた。それを見て,私のコメントもさほど的外れではなかったか,と安心した。もちろんそれは,先生の対応能力の高さがあったからうまくいったわけだが。

 おそらくこういうニーズはほかにもあるのだろうと思う。これを期に,小学校と新しいかかわりができるかもしれないと思うと,ちょっと楽しみである。


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