読書と日々の記録2008.8上

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■読書記録:  12日『応用行動分析で特別支援教育が変わる』 6日『ポスト資本主義社会』
■日々記録:  12日足が震える娘 6日学期末の日々

■『応用行動分析で特別支援教育が変わる―子どもへの指導方略を見つける方程式』(山本淳一・ 池田聡子 2005 図書文化社 ISBN: 978-4810054569 \2,400)

2008/08/12(火)

 通常学級に在籍する軽度発達障害児を対象に,応用行動分析的な考え方でどのように対処できるかについて述べられた本。応用行動分析の基本や,それを実際にどのように適用していったらいいかが非常に分かりやすく書かれている。

 それだけでなく本書の考え方としては,応用行動分析といっても何か新しいものなのではなく,「みなさんが,いままで実践されてきた教育を,少し体系的な観点から整理」(まえがき)したもの,というものである。とても好ましいスタンスに思える。

 このように考えるので,やるべきことは,「自分のこれまでの経験を整理し,うまくいったこと,うまくいかなかったことを理論的な枠組みの中で明確にし,まとめ,言葉にし,文章に残し,支援を必要としている学級の子どもに生かしていく」(p.12)ことである。これは特別支援教育に限らず,あらゆる教育について言えることではないかと思った。

 その具体としては,たとえば「どこまでができ,どこまでがむずかしいのかを十分把握しておく」ということであり,問題が起こる前に予防的に対応するということであり,ネガティブ・ルール(これをやらないといやなことが起こる)ではなく,ポジティブ・ルール(これをやるとこんな楽しいことが起こる)を使うということであり,学習においては(特に初期では)可能な限り誤反応が出ないよう学習を進めていく(無誤学習)ということなどである。これらも,特別支援はもちろん,健常な子にも適用可能な考え方だろう。そういう意味で実際的に役立ちそうな本であった。

足が震える娘

2008/08/12(火)

 日曜日,うちの娘たちのバレエ教室の発表会があった。娘たちは3度目の出演である。

 うちの娘たちはバレエがとても楽しみで,発表会を心待ちにしていた。直前になると「発表会が終わってしまうのはいやだ」と言っていた。当然,緊張したりもしていない。前日も,夜までリハーサルがあり,帰ってきたらすぐに眠ってしまった。

 ところが発表会が終わってから,上の娘(小4)が「本番中,足がガクガクした」と言っていた。どうしたのかと思ったら,ステージ上で5人だけで踊る場面があり,そこで緊張したようなのだ。傍目にはしっかり踊っているように見えたのだが。

 前日も当日も,あるいは去年までも緊張の様子はかけらもなかったので,意外だった。もっとも今までは,大勢で踊る場面ばかりだったので,緊張することもなかったのだろう。こういう経験が積み重なっていくと,本番前の緊張になったりするのかな。その萌芽が見られたようでちょっと面白かった(ちなみに私も妻も,人前では緊張するほうである)。

■『ポスト資本主義社会─21世紀の組織と人間はどう変わるか』(P.F.ドラッカー 1993/1993 ダイヤモンド社 ISBN:9784478371022 \2,400)

2008/08/06(水)

 「知識社会」なるものがどういうものか知りたくて読んでみた。読んでみて結局,分かったような分からないような感じだった。

 いくつか要約抜粋すると,今の時代(1990年代)はポスト資本主義社会であることは間違いないが,「知識社会」と呼ぶには時期尚早で,「知識経済」をもつにすぎない(p.50)(それらの違いは何なんだろう),生産性の向上は知識によって生み出される(TQCみたいなことかな?),知識労働の世界に地位はなく,任務ごとに仕事が変化していく(各人がスペシャリストだから,ということかな?),過去40年間,知識や情報を作ったり運んだりする産業が経済の中心になっている,われわれが真に必要とするものは,多様な専門知識を理解する能力である,という具合である。うーん,やっぱりわかったような分からないような,である。

 本書によると,知識社会への転換が終わるのは2010年か2020年だという。今はどうなのだろう? なお本書は,1993年に出版されているせいか,日本のことは非常に高く評価されている。たとえば,日本は「知識社会への移行に関して最もよく準備されている」(p.I)という具合である。その後,何があったんだろう...

学期末の日々

2008/08/06(水)

 今週は期末試験週間である。もう少しで,あわただしい日々もひと段落すると思いながら日々を暮らしている(来週から暇になる,ということでは決してなく,ようやくやりたいこと,やれなかったことに時間をかけられるようになる,ということである)。

 月曜日,火曜日は順調に来た。最後の講義を行い,出されたレポートを評価し,2科目については最終評価まで出すことができた。

 ところが今日。午前中,卒論指導と3年のゼミがあったのはいいとして,午後から会議が2件。おかげで,予定の半分もできなかった。

 明日ひとつ試験があり,その評価と,レポートの評価を行わなければならない。今日やろうと思っていたことを明日やって,あさってで試験の採点まで終われるだろうか(終わらなかったら土曜出勤かな...)


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