読書と日々の記録

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■読書記録: 30日短評0冊 26日『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』 18日『吉田松陰』
■日々記録: 30日発表会 26日10歳の壁? 18日具体的に指示を出す

■今月の読書生活

2009/11/30(月)

 先日も書いたように,今月,紹介した本以外に読んだ本はない。この感じなら,来月からは「読書と日々の記録」ではなく「(読書と)日々の記録」になるかもしれない。っていうか,4〜5冊でも読めればいいかなあ...

 今月読んだ本は,どれもそれなりに良かったとも言えるが,ここでもう一度紹介するぐらいにとてもよかったわけではない感じがする。残念ながら。

発表会

2009/11/30(月)

 土曜日,上の娘(11歳)のバレエの発表会があった。夏には教室全体の発表会があったのだが,今回は,ある程度経験を積んだメンバーだけによるソロの発表会だった。

 うちの娘はバレエを4年やっていて,今回が初ソロ。約3ヶ月前に,難しげな曲を踊ることが決められ,2ヶ月ぐらい前から練習に入り,土曜日が本番だった。

 そもそも,トウシューズで踊るのは今回が初めてなので,こんな難しげなソロ,できるの?と思った。2週間ぐらい前にたまたま練習をのぞいたときは,うーんがんばってはいるけど...と思った。土曜日もゲネプロのときは,ちょっと大丈夫かな?と思ったのだが,本番では,びっくりするぐらいによくできていた(あくまでも初ソロの割には,ということだけど)。

 本人も,本番が一番良くできたと言っていたし,緊張もしなかったと言っていた。なかなかすごいヤツだわい,と思った。

■『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』(データスタジアム編 2008 宝島社 ISBN: 9784796662680 \933)

2009/11/26(木)

 読書記録の定期更新をすっかり忘れていた。こんなこと,読書記録を始めて以来,初めてである。今月読んだ本でまだここに書いていない本はこれしかないので,一応紹介する。

 セイバーメトリクスについては,『マネー・ボール』で知った。旧来的な野球のデータには運的要素と実力的要素がごっちゃになっており,あまり有用ではない。そこで統計的な手法を駆使して,選手の本当の実力を知ろうということで作られた各種の指標が要するにセイバーメトリクスである(たぶん)。

 これってとてもクリティカルな発想だし,いいなあと思って,もう少しセイバーメトリクスについての情報を知りたいと思ってアマゾンで検索して買ってみた。本書の冒頭は,長谷川滋利元メジャーリーガーのインタビューなのだが,それによると,「MLB全体がセイバーメトリクス重視の流れになるかといわれると,そんなことはないでしょう」(p.6)なんて書かれており,ちょっとびっくりした。それでも長谷川自身は,「下り坂になったときこそデータは必要」(p.9)と述べており,これはナルホドと思った。

 本書は,冒頭のインタビューのあと,最初の2章がセイバーメトリクスについての話(歴史,各指標の説明)だが,残りは,2007年の日本のプロ野球の代表的な選手やチームの分析に費やされており,最近まったくプロ野球をみない私には,まったく楽しめない内容だった。

 そういう点は残念ではあるものの,セイバーメトリクスについて,違う角度からもう少し知ることが出来た点はまあ悪くない。

10歳の壁?

2009/11/26(木)

 最近,うちの娘たち(11歳と9歳)を見ていると,なんだか違うなあ,ととても思う。個人差はこれまでもずーっとあったわけで,そういう違いではなく,年齢による違いである。

 たとえば上の娘が金魚すくいですくってきた金魚。しばらく生きていたものの,半月たったところでなくなってしまった。娘たちは,それまでせっせと世話をしていただけに,落胆していた。でも下の娘は涙を流すぐらいに落ち込んでいたものの,上の娘はまったくそういうそぶりはなかった。

 あるいは。下の娘が1階に一人でいることがある。妻と上の娘が買い物に出かけ,私は2階で仕事しているときなんかである。一人でいるはずなのに,ときどきバタバタと走る足音が聞こえる。一人でいるのに何で走っているんだろう,と思ったが,見てみると,ソファに座っていて,何か用事があって台所に行くときなど,むやみに走るのである。そういう,無駄に走る,なんていうのは,大人になるにつれてなくなっていくんじゃないだろうか。

 空想的な事柄(目に見えないもの)に対する態度も,だいぶ違う感じがする。下の娘はサンタさんのことを心から信じているのに対して,上の娘は,ちょっと(かなり)懐疑的なようである。そういえば知り合いの子も,小学校5〜6年生ぐらいでそうだった気がする。空想的な事柄といえば,我が家では子どもが小さいときから,「カミナリがなったらおへそを押さえる」ようしつけてきた。だって取られたら困るから。でもどうやら最近,上の娘はそれを疑っているようだ。さらにいうなら,上の娘はそろそろ,親に対する態度が変わってきている気がする(青年期?)。それやこれやを見るにつけ,9歳児と11歳児って,なんだか別の世界に住んでいるような感じがする。

 学校教育でいうと,算数なんかには10歳のカベがあるらしい。体育というか運動技能もそういうのがあるらしい。メタ記憶などのメタ認知ができるのも10歳ぐらいというし。ほんと,このあたりには何か(認知的変化?)があるんだなあと最近思うことが多い。

■『吉田松陰―変転する人物像』(田中彰 2001 中公新書 ISBN: 9784121016218 \700)

2009/11/18(水)

 あまりにも漠然としたタイトルで,単なる伝記かなあとあまり期待せずに読んだのだが,意外に面白かった。それは要するにサブタイトルが活かされた内容だったということである。

 吉田松陰は,あまりに偉大だったためか,弟子たちが師のことを本なりにして残そうとはせず,しかしまずは徳富蘇峰が「改革者」として吉田松陰のことを文章化し,忠君愛国者として戦前の修身の教科書に載り,戦争の反省から一頃は語られず,しかし1950年代に「政治的実践者」として語られるようになり,今に至っているという。

 そもそも私は,吉田松陰がなぜある種の偉人として語られているのか,実はよく理解できていなかった(他の偉人のように,はっきりした功績があるようにも思えなかったし)。しかしその理由が,本書でかなり理解できたように思う。

 要するに彼にはさまざまな側面があり,その時代時代の要請に応じて,それらの中のある面がクローズアップして語られてきた,ということのようである。その意味では彼の語られ方は,「歴史とは過去と現在の対話」という言葉そのものだなあと思った。

具体的に指示を出す

2009/11/18(水)

 先日,教育実習が2ヶ月前に終わったばかりの学生に話を聞いた。考えてみたら,こういう時期にこういう形で,割ときちんと話を聞くのははじめてかも知れない。

 聞いた話は,予想以上に興味深かった。たとえば小学1年生を担当したある学生は,「掃除の時は,『この隅からこの隅まで,こういうほうきのもち方で掃除して』、と具体的に指示しないといけない」といっていた。ふーん,そういうもんかと思ったが,さらに給食時には,「『はい野菜食べて』とか、『はい牛乳飲んで』、と言ってあげないと,ゆっくり食べているので終わらない」なんてこともいっていた。これにはちょっとびっくりした。

 他にも授業中だったら,指示のタイミングだのプリント配布のタイミングが大事で,それを間違うととたんに混乱する,という話もあった。

 そういえば以前,ある小学校の先生が「低学年の先生に必要なのは段取り」と言っていたのを思いだした。なるほどねえ(といっても実は大学生でも,指示やプリント配布のタイミング,指示の具体性はとても重要なんだけど)。


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