宮城今日子のコメント
・ 中学生の食生活と栄養摂取に関する男女の比較
渡嘉敷めぐみ
この文献では不足しがちな栄養素を男女別に明らかにし、ダイエット経験や食生活状況などをBMIやエネルギー比率などの具体的な数値を用いて比較するなど、対象者の把握がわかりやすい点が良いと思う。また、運動習慣(クラブ・部活参加の有無)別の比較や都市部と農村部との比較を行ってもおもしろかったのでは?と感じた。脂肪エネルギー比率や食塩摂取量が高く、鉄分や食物繊維の摂取量が少ないという結果が、現代の子ども達の現状をよく表しているように思う。ファーストフード店やコンビニエンスストアーなど、誰でも手軽に食べ物を購入できる環境があることもこういった現状の要因の一つになるのではないだろうか。子ども達への栄養に関する健康教育では、その子の家庭環境や性格、知識レベルなど、個々に応じた対応が大切となるのではと感じた。
・ 知的障害児童・生徒の発育に関する検討
瀧澤透
この文献での肥満の比較がいまいちわからなかった。学童期の子ども達の体型をみる場合、BMIではなく、ローレル指数などを用いても良かったのではないだろうか。高校3年生のみを肥満比較しており、この結果のみで知的障害児の肥満予防指導に適した時期を検討できているかどうかが疑問。本文献の目的にもあるように、知的障害児にとって肥満による弊害の理解は容易ではなく、健康教育という形よりも学校職員や施設職員、両親への指導という形式での肥満対策になると思う。この場合、障害のレベルや合併症の有無、生活環境によって対応の仕方が大きくことなることが考えられるため、個別性を重視した対応が特に必要となると思った。
・ 中学生における対人的な攻撃パターンに関する研究―性差と小学校高学年時の遊び方との関連―
長谷川珠代
幼少期の『遊び』と『いじめ』の関連をみるという視点がとても興味深く、良かった。男女別の発達段階をふまえた考察がありおもしろかった。『いじめ』は、根の浅いものから深いものまで様々で、一見まわりからはわからないものや、いじめている本人たちすら気づかないものまである。教師や親たちにとって、『いじめ』はただでさえ介入しずらい問題であり、まして表面化していないものへの対応はより困難である。大人たちの役割として、『いじめ』の場面に直面したとき子ども達自身が問題を解決できるような力・心を育てていくこと、そして、『いじめ』がおこらないような人間関係を築かせることが重要なのではないかと感じた。
・ 学校事故に対する救急体制の現状に関する研究
竹田幸江
学校は子ども達にとって安全な場所でなくてはならないが、その反面、人が多い分、あらゆる場面において事故が起こりやすいところでもある。養護教諭や担任に限らず、学校職員全体で緊急時における対処法を学び、実践できるよう取り組んでいくべきなのではないだろうか。その上で、緊急時のマニュアルは各教室に設置し、定期的な確認が必要である。子ども達に対しては、学年に応じた対処法を授業の中に取り入れて、普段から意識付けを行うことも大切である。親や子ども達が本当に安心できるような環境づくりが望まれる。
・ 中学生における有機溶剤乱用の実体とその生活背景―1992年千葉県調査より―
喜瀬実名子
この調査から、「有機溶剤乱用経験者の諸特徴を明らかにする」という目的が達成できているかどうかは疑問だが、生涯目撃率が学年、男女問わず20%前後で、有機溶剤の乱用が中学生にとって身近になってきているという現状を知ることができ良かった。この結果は、私にとっては予想以上のものだったためかなりショックだったが、より真剣に有機溶剤乱用防止に取り組んでいかなければならないのだと実感できた。有機溶剤乱用以外にも、喫煙や飲酒などの危険行為の低年齢化も示唆されている中、学校だけにとどまらず、家庭や地域における様々な人々との連携が大切になるのではないかと思った。
・ 自己管理スキル尺度の開発と信頼性・妥当性の検討
太田光紀
内容が難しく、深く理解することができなかったが、尺度の信頼性や妥当性を高めていくことの大切さや困難さ、あらゆる視点からの考察が不可欠であることを強く感じた。尺度は、物事を客観的に判断・評価する材料の一つとして有効であり、より効果的に活用していくためには、調査・研究を重ね、信頼性・妥当性を追求していく必要があるのだろう。