皆さんへのコメント 竹田 幸江
・渡嘉敷 めぐみさん 「中学生の食生活と栄養摂取に関する男女の比較」
結果で、「よくかむ」と栄養・食事摂取量との関連を調べることで、「よくかむこと」の何が明らかとなったのか今一わかりませんでした。どのような質問項目だったのでしょうか。
男子で牛乳・乳製品を有意に多くとっている者がいるにも関わらず、カルシウム不足であるのは、吸収率を高めるマグネシウムの摂取に問題があるのではないか?具体的に分析したほうが、その後の解決策が得られるのではないか?
「女子の鉄不足は、母性育成の面でも問題」としているが、実際私の経験上では妊婦は貧血傾向になりやすいと感じる。鉄剤服用の前に自己の食生活改善で貧血が解消できるように、知識だけでなく習慣づいたスキルの修得を、思春期からの健康教育で必要であろう。また、全体的に男子の栄養に関する知識不足が示唆されたのには、思春期女子に摂食障害が好発するため着目が置かれやすく、男子の問題が顕在化されにくいのもあるのではないか?
渡嘉敷さんが、短所で挙げられたように、生徒に対する親からの知識提供や習慣、また食事時の状況(夕食は家族全員で摂取など)なども今後取り入れて研究していくと良いのではないか。
・太田 光紀さん 「自己管理スキルの開発と信頼性・妥当性の検討」
方法にある、「戦略的な発想」とはどんなものを言うのですか?
尺度を10項目と最少にまとめたのは良いと思うが、考察にもあるように、自己管理スキルが単一の尺度から構成できるのかというと難しいだろう。各々持っているスキルは違うし、他者とは違った場面でその人独自の方法で、持っているスキルを活用かもしれないのだ。だから、傾向はみられるかもしれないが、10項目で臨機応変に対応していけるかが問題だろう。
各研究行為に理由付けがなされていて良いと思うが、太田君が指摘しているように、開発過程からあえて女子のみに絞らなくてもいいのではないだろうか。
自分も、自己の内部一致性に日々頭を悩ませている。研究結果からの今後の具体策が期待される。
・宮城 今日子さん 「学齢期小児の朝食摂取状況と健康に関する知識、態度と行動についての疫学的研究」
「朝食摂取状況と健康に関する知識」および健康に関する意識・態度についてですが、小学校の段階では健康に関する意識・態度には朝食摂取状況の違いによる差はほとんど見られなかった、のは小学校低学年には妥当ではない内容であったということはないでしょうか?
先行研究および今回の調査からも分かるように、朝食摂取状況が健康に関する自己評価と強く関連することが明らかである。宮城さんの私見にあるように、家族構成状況が変わり、複雑な現状に対応できるための学校・地域・家庭の連携が重要であると思う。朝は一日の始まりで、学校や職場に行くための準備で一番忙しい時間帯である。しかし、朝に余裕を作るためには、昨晩の過ごし方も重要であり、生活習慣の見直しが必要になってくるだろう。また、希望者への「朝給食」の提供はいかがでしょう?
・長谷川 珠代さん 「中学生における対人的な攻撃行動パターンに関する研究」
根本的質問かもしれませんが、「観衆」と「傍観者」の区別がいまいちわかりません。
この研究では、質問紙表上で場面設定をしているところが、面白い手法だなと思いました。
結果で、各項目が行動の有無や行動の内容でタイプ別されたのに、「注意・仲裁者行動における行動パターン」だけが強弱でタイプ分類されたというのが興味深い。自分を危険にさらさずに目的を達するといった攻撃心理と何らかの形で関連しているように思う。また、注意などといった抑制的に働く力が弱いのは、いわゆる「ちくり」という、集団の中にあるまじき裏切り行為に対する、いじめの矛先転換を恐れてのことではないだろうか?なんだか、日本のいじめの特性は、集団に固執する日本人の特性ゆえに発生し、同じようなことは、日本兵の残虐な行為にも重なる部分があるようで危険性を感じる。
長谷川さんの言うように、被害者はパターンに分類できなかったのだろうか?加害者の攻撃性ばかりでなく、被害者の場合ではどのような考察ができるのかまで分析したほうがいい。
・瀧澤 透さん 「知的障害児・生徒の発育に関する研究」
まず、対象数が大規模で、良いと思います(大変だったでしょうね)。
瀧澤さんのレポートの結果についてなのですが、文献にはこれしか載ってなかったのでしょうか?結果1.には、もっと具体的な数値を挙げてほしかったです。
旧新とのBMI比較で、男女とも大きく増加しているのには驚いた。この著しい変化には近年の日本人の食事内容の変化(欧米化など)と関連はないのだろうか?また、女子のBMIの明らかな増加に対し、考察で二次性徴に肥満予防対策を嵩じる事が必要とあるが、MR女児の二次性徴時期はいつ頃かは、今回の研究で検討したのだろうか?目的には、肥満予防指導の時期の検討が大きく挙げられているのだから、具体的に考察してほしい。
瀧澤さんが短所でも指摘するように、疾患別に個別指導が取れるように分析するべき。また、MR児の主な援助者は親であると思われるので、親がMR児の食事・運動習慣(しつけ?)についてどの程度の知識があるかも知りたいところだ。肥満予防の早期からの介入には、健常児と同じように親の協力が重要な要素となると思う。
・喜瀬 実名子さん 「中学生における有機溶剤乱用の実態とその生活背景」
表にまとめてあるように、有機溶剤乱用非経験者群と経験者群とで、明らかに特性の違いが出ており、興味深い。考察では、経験者群の「シンナー遊びをする気持ちがわかる」といった内容への、大人の理解の程度を考えているところが良いと思う。また、喫煙・飲酒に対する大人の影響もポイントであるというように、身近な大人(主に親)の生活背景も調査して比較していかなければならないだろう。喜瀬さんのコメントにもあるように、思春期の人間関係では友人との関係が密接に絡んでくるので、友人の影響なども調べる必要がある。
私の父は、塗装職人なので、身近にシンナーがあった。なので、「シンナー遊びをしたくなる」のもなんとなーく分かる気もするが、親から常に危険性を教えられていたし(具体的ではないが)、子供ながらに危険な匂いをキャッチしていたので乱用にはいたらなかった。身近な親の言葉は重要である。
・高倉 実先生
コメント提出遅れてすみませんでした。本講義は先生のキャラクターが発揮されており楽しかったし、みんなで討議しやすかった気がします。今後もこの方針で、そのキャラで、王道を行ってください。ありがとうございました。