高校生の生活ストレッサー測定に関する予備的研究
 
○高倉実*、城間亮**、新屋信雄***
*琉球大・医・学校保健 **琉球大・大学院・教育学研究科 ***琉球大・教育・生涯健康教育

 

【目的】児童・思春期における生活ストレッサーを測定する尺度は欧米ではいくつかみられるが、本邦では標準となる尺度はまだみられない。本報では高校生についてmajor eventsとdaily eventsを含む生活ストレッサー尺度の開発について予備的検討を試みた。

【方法】沖縄県都市部の公立高校の1、2年生369名を対象に自記式質問紙調査を行った。また、同校生徒86名を対象に4週間後に再調査を行った。ストレッサー項目は高校生が経験可能で嫌悪的と考えられる出来事を独自に84項目選出し、過去1年間の経験頻度と嫌悪度を4件法で評定させた。その中で「たまにあった」もので「非常にいやだった」出来事をmajor events、「ときどき〜よくあった」もので「すこしいやだった〜非常にいやだった」出来事をdaily eventsと判定した。項目分析により20項目を除外し残りの64項目について尺度得点を算出した。尺度を短縮させるためにmajor events 6項目、daily events 25項目を操作的に選択し尺度化した。基準変数には抑うつ症状を用いた。

【結果】ほとんどの尺度得点に性差がみられ、女子の得点が高かった。各尺度得点と抑うつ症状との相関係数は.193〜.456を示し、いずれも有意であった。その中で選択daily events重みづけ得点が最も高い相関を示したことから、抑うつ予測のためにはこの尺度が適当であると考えられる。再テスト信頼性係数は.589〜.681を示し、α信頼性係数は.533〜.908を示した。


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