高校生におけるHealth Risk Behaviorsの実態と集積について

 

○高倉実*1、永山智子*2、崎原盛造*1、與古田孝夫*1、和気則江*1

*1琉球大学医学部保健学科、*2岡山療護センター)

 

【目的】本研究では、青少年の生命や健康に危険を及ぼす行動(Health risk behaviors)の実態とその集積について明らかにすることを目的とした。

【方法】沖縄県都市部の7全日制県立高等学校に在籍する13学年の生徒1,466名を対象として、学級における自記式無記名質問紙調査を秘匿性に配慮し実施した。危険行動として、喫煙、飲酒、シンナー使用、シートベルト不使用、自殺念慮、性交経験、不健康な減量、運動不足を用いた。

【結果】喫煙者は17.4%、飲酒者は38.4%、シンナー使用者は3.2%、性交経験者は20.0%、自殺を考えた者は10.1%、シートベルト不使用者は29.8%、運動不足者は41.4%、不健康な減量を試みた者は3.3%であった。上級生の飲酒、性交経験、運動不足、減量の割合が高かった。また、男子には喫煙、飲酒、シンナー使用が多くみられ、女子には自殺念慮、運動不足、減量が多くみられた。男女とも、喫煙、飲酒、性交経験の関連が強く、これらは一つの行動群としてまとまっていた。これら3つの危険行動が同時に行われる場合の観測割合が期待割合よりも大きかったことから、3つの危険行動が集積して起こることが示された。さらに、これらの危険行動の集積には学年と学校種が強く関連していた。これらの結果は、危険行動防止に対する介入戦略には危険行動の集積を考慮に入れる必要があることを示唆した。