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 沖縄農業研究会賞 第1回受賞記録

第1回 2007/平成19年度

受賞者      広瀬直人氏(沖縄県農業研究センター)
受賞対象研究 「沖縄県農産物の加工および流通技術に関する研究」



◆受賞の言葉◆

沖縄県では亜熱帯性気候を活かし、サトウキビやパイナップル、ゴーヤー、マンゴーなど、特色ある農産物が生産されている。われわれのグループではこれら農産物の機能性評価と利用に関する研究を進めている。一方、沖縄県は本土市場から遠隔地にあり、また多くの離島を抱える島しょ県であることなどから、農産物の流通コストの割高性に加え、品質の保持が大きな課題である。そこで、低コスト・高鮮度保持流通技術の開発を行っている。

イメージ写真 「機能性を活かした利用研究」
沖縄県の基幹作物であるサトウキビは主に製糖原料として利用されているが、搾汁液中に血圧降下作用を有するγ-アミノ酸(GABA)が含まれることが明らかとなった。そこで乳酸発酵によってGABAを増強したサトウキビ乳酸発酵飲料を開発した。得られた乳酸発酵飲料にはサトウキビ由来のポリフェノールが含まれ、更なる機能性付与も期待できる。

「特徴を活かした加工食品の開発」
ドラゴンフルーツ(ピタヤ)は主に生食用途であるが、赤肉種の果肉だけでなく、未利用部分である赤肉種の果皮および白肉種の果皮からも鮮やかな赤色色素が抽出できた。そこで赤色色素を利用した加工食品として発泡酒を開発した。製品は良好な赤色を呈し、ピンク色の泡を有する発泡酒が得られた。機能性の評価は今後の課題である。
イメージ写真

イメージ写真 「ゴーヤーの高鮮度保持技術」
ゴーヤーは低温障害を示すため、通常の低温輸送を行うと品質が低下する恐れがあるが、10℃前後の輸送によって鮮度保持が可能であった。また、カビ害(Phoma sp.)によってゴーヤーの黄化が発生すること、青果表面を乾燥させることによってカビ害の発生が抑制できることが明らかとなった。青果の乾燥には真空予冷施設の利用が可能であった。


本研究では沖縄県農産物の加工および流通技術について、主に微生物の視点からのアプローチを試みました。研究を行うにあたり、多大なご指導を賜りました喜名景秀所長、高江洲賢文総括、仲盛広明総括、吉武均班長、照屋亮研究員をはじめ、沖縄県農業研究センターも皆様に感謝いたします。本研究は諸先生方のご指導、ご支援の下、多数の共同研究者のご協力によって得られた成果であり、皆様に深謝いたします。特に九州沖縄農業研究センターの吉元誠機能性利用研究チーム長、琉球大学の和田浩二教授、秋永孝義教授をはじめ、皆様にご指導、ご協力いただきました。厚く御礼申し上げます。

 沖縄県農業研究センター 農業システム開発班
 研究員 広瀬直人

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