ハニ族は元来無文字の民族で、今でもハ二語の表記(正書法)は普及していません。そういってもHPで音声を公開することは至難の業なので、表記を学ぶ必要があります。
ハニ語はチベットビルマ語系の言語で、声調があります。高声(55調)平声(33調)低声(21調)の三つが主体で、借用にのみ上声(24調)があります。緊喉音といわれる喉を絞めて発音する音もあって、これは日本人にはよく区別ができません。もっとも、当のハニ族もはっきり区別できていないこともあるようです。
 音節は基本的に開音節で、母音で終わります。アカ語の場合、n音とm音が末尾子音としてはっきり存在します。チベット語などはたくさんの末尾子音があるのですが、これが少ないところは日本人には理解しやすいところです。
 ただし、日本語にない母音や子音もあるので注意が必要です。ハニ語とアカ語にはいくつかの正書法があります。ハニ語の場合中国の言語学者が1950年代に考案したものです。しかし、80年代にこの正書法は改定されており、新ハニ文と呼ばれています。このHPでは基本的にこの方法によることにしたいと思っています。アカ語についてはいくつかの正書法がありますが、P.ルイスによるものが辞書もあって一般的です。ただし、声調記号が表示しにくいのでWeb上ではアルファベットで音節の最後に声調を表す記号をつけることも行われています。



声調について例を挙げるとcol であれば上の図の「l」のところのように、高くツォと発音します。coqだと低くツォと発音します。co では平たくツォ(無表記)、cofは上がる音です。



ハニ語の正書法については、私の技術ではまだIPAを画面上に出すことができませんので当面以下の本を探して見てください。今後 IPAを表示できるように検討します。
Lewis,P.&Bibo,Bai 1996 Hani-English,English-Hani Dictionary,Kegan Paul International.
段@楽『哈尼語概論』雲南民族出版社(@=貝偏に兄)

上記の本は比較的手にいれにくいので興味のある方は私の方にご相談ください。また、中国語を読まれる方は『哈尼語簡志』が比較的手に入りやすいのですが、若干ではありますが改訂されている点があります。

ハニ語には大きく三つの方言群があります。

ハカ方言・・・・ハニ語とアカ語が中心

ビカ方言・・・・ビヨ語、カド語

カベ方言・・・・カベ語

これらは言語学者の分類であって、彼ら自身が相互には意思の疎通ができるレベルにはありません。ハカ方言のなかですら、かなり多様な方言があります。このHPでは一番会う可能性の高い、ハニとアカの人たちの属するハカ方言を中心に紹介していきたいと思っています。