電気基礎実験「CR回路の数値解析」のレポート執筆の注意
2008年10月27日最終更新
原田繁実
原理の部分では下記の点に注意すること。
- 原理はテキストの丸写しではなく要約すること。
- Euler法ならびにRunge-Kutta法の概要を記述するときに、アルゴリズムを忘れずに記述すること。今回の実験はこれらアルゴリズムのプログラムを作成し、特性を評価したのであるから、アルゴリズムが原理に記述されていない原理は不十分である。
- Euler法およびRunge-Kutt法の説明は丸写ししないこと。アルゴリズムと方法の特徴を要約して記述すること。
- 微分方程式の解の導出過程は必要ない。前提条件(変数の意味など)と結果があれば良い。
実験方法の部分では下記の点に注意すること。
- 実験方法のテキストを丸写しせずに、(1)どのような条件で何を計算させたかを(2)使用したプログラムを明示して記述すること。例えば、「C=1μF、R=1kΩに回路にVm=1、周期1msecの方形波を印加した場合のコンデンサ電圧・抵抗電圧およびコンデンサ電圧の計算誤差をEuler法で計算した。ここで、Euler法のステップ長hとしては、0.1、0.2、0.3を使用した。使用したscilabのプログラムESqP1.sceを図1に示す。」などとする。
- 使用器具は今回は必要ない。(あってもよい。)
- 印刷したプログラムリストは図として扱うこと。すなわち、下に図番と標題を記入してレポートに綴じること。プログラムリストはA4用紙を横長に使用しているので、図の標題がない方が綴じられるようにすること。
- どのような条件に対する結果なのかを明示すること。
- 表には標題を表の上に通し番号と共に付けること。
- 図には標題を図の下に通し番号と共に付けること。
- グラフも図として取り扱うこと。「グラフ5○○××の計算結果」は誤りであり、「図5○○××の計算結果」とすること。
- 図や表の標題は内容が明確になるように書くこと。「図1実験1の計算結果」のようなものは駄目である。「図1 Euler法によるコンデンサ電圧の計算結果(C=1F, R=1Ω, CR=1s, 0toPeakの振幅1V・500Hzの方形波を印加, h=0.02, 0.03, 0.04[ms])」のようにすること。
- 表や図の番号は通し番号とすること。すなわち、レポートに初めて出た図を図1とし、順に図2、図3とすること。
- 表や図の説明を本文中に記述すること。すなわち、「表1に○○の条件において××と△△を計算した結果を示す。」のような文章のない図や表があってはいけない。
- 結果の説明には計算条件が明確にわかるようにすること。「実験1の結果を図1に示す。」のような文章では読者は実験1はどんな実験だとレポートの前の部分を読み直すことになるため不親切である。「実験1(かくかくしかじかの条件,なになに法)の結果(どこそこの電圧)を図1に示す。」のように記述すれば読者は「実験1」なるものの概略を実験方法の部分に戻らなくても理解できる。
- ステップ長hを変化させた場合に誤差が理論的に予想されるように変化しているか、本当にRunge-Kutta法の方がEuler法よりも精度が高いのか検討せよ。このとき、印加電圧を方形波にした場合と一定電圧にした場合で違いがあるかも検討せよ。
- 調査事項においてEuler法とRunge-Kutta法により
x0+h
に対するy
の値y1
を求める場合に、微分方程式の解析解の情報を使用しないこと。