Civic Pride

シビックプライドのまとめ(217091E 藤村玲菜)

アムステルダム

要約

デザイン事務所「ケッセルスクラマー」がロゴをデザインした「I amsterdam」は、 アムステルダムという都市とそこで暮らす市民らが対話しながら未来のビジョンを 共有していくことを第一の目的として2004年に開始されたキャンペーンのモットーで、 この言葉を発することでアムステルダムを自分たちのまちとして選択した恩恵、機会、 そして素晴らしさ、言い換えれば「アムステルダム精神」を表現できる。 このキャンペーンは、都市アムステルダムの世界的文脈における新たなポジショニングを明確化させるため、 4年ごとのマーケティング・サイクルによって長期的なプロモーション計画のもと実行された。 また、同じ理由で設立されプロモーション計画の策定・実行を受け持つアムステルダム・パートナーズは、 あらゆる方面からコミュニケーションを円滑に行い市民の意識を都市に向けるための専任組織だ。 このキャンペーンの実施により、文化のアウトプットと都市との関連性が明らかになっただけでなく 全市民が大使として訪問者との交流を図ることができた。

感想

「アムステルダム」と聞いた時、真っ先に思い浮かんだのは私がずっと行きたいと思っていた 子どもの幸福度も教育方針も理想的なオランダだ、ということだった。 また、ホスピタリティ産業に関心の高い私にとって観光に関する知識も欠かせない。
しかし、今回メインテーマとして取り上げられていた「I amsterdam」の存在を私は知らなかった。 このフレーズがあることによって、アムステルダム市民の士気が上がるだけでなく、 観光をしている中でこの言葉にふれた人々からの「アムステルダム市」のブランド力認知によって、 より良い街づくりにつながっているのだろう。それと同時に、仮に日本に「I am Japanese」と相応のフレーズが 以前からあったとしても、愛国心に欠けるためにアムステルダムほどの効果は期待できないと考えた。 県外出身の私からすれば、たとえば沖縄のように「世界のウチナーンチュ大会」が開催されるほど もともと市民・県民の結束力の強い地域ほど効果がありそうだと思った。

ハンブルグ

要約

現在、ドイツ最大の港湾都市ハンブルクにはコンセプト「Metropolis Hamburg-A Growing City」のもと, 「ハーフェンシティ」という名の開発エリアが存在する。この開発プロジェクトでいちばん意識されているのは、 まちの未来が市民とともにあるための良質な接点づくりである。なお、このプロジェクトが成功した場合、 従来の市街地が40%も拡大することになる。
この大規模開発計画が実行された理由は、1960年代後半のコンテナ時代からハーフェンシティの港湾地区の 構造改変があったからである。市街地への再生の機運が高まったことが大きく作用し、結果として市議会での ハーフェンシティ開発の承認に結びついた。
開発に先立ち、まちの未来建設に関わる重要な拠点としての役割を任されるために、ユニークで 双方向性なやり取りが叶うコミュニケーション・ポイント「インフォセンター」が整備された。
これによって、市民の心の中にはまちへの愛着が芽生え、次第にまちが「自分のもの」だ という認識につながっていく。(410字)

感想

建物や施設よりもいち早く整備されたオープンスペースや、ハーフェンシティの成長を常に見守れる場としての 展望タワーの取り組みの部分を読み、情報に透明性を持たせることの必要性を改めて感じた。
私の身近なところから 例を挙げるとすれば、部活動やクラス単位の少人数の集団ですら、信頼関係を構築するために情報の正確さは非常に 重要である。
対象の人数が増えるにつれて反発の怖さも増すことから、共感を得ながら物事を進行させたい場合には、 やはりこのプロジェクトで実施しているような大規模な計画のもと正しい情報開示をすることが求められるはずだ。
そのため、とくに、政治における今の日本の上層部には、ハンブルクでのこのプロジェクト事例をぜひ伝えたいと考えた。(314字)


ブリストル

要約

特徴のある効果的なデザインや情報や道案内のソリューションを創り出すために、 分野を横断して協働しプロジェクトに取り組むCity IDの理念を形作るきっかけとなった 「ブリストル・レジブル・シティ」は、「連結・結合」「アイデンティティ」「戦略的都市マーケティング」 をテーマに、「分かりやすい都市」づくりを目指しておこなわれているプロジェクトである。 これは、まちにあるあらゆるプロジェクト(都市でおこる開発や活動の断片)をつなぎ合わせるための 接着剤ともいえる。このプロジェクトを実行するにあたって、まちのイメージカラー「ブリストル・ブルー」 とオリジナルフォント「トランジット」が生まれた。 それだけでなく、来訪者の過ごしやすさを導く携帯用歩行者マップや、よりこの都市を 「分かりやすい」ものするために導入されたアートプログラムを含む複数のプログラムも実施された。 このユニークなプロジェクトは、多数の小さな政治勢力の拮抗によって一強のリーダーが 誕生しにくいことに加えてブリストリアンという市民気質によって成り立ったともいえる。 (451字)


感想

今回のブリストルの都市政策の例は、講義で学んだ「観光リンケージ」と近しい印象を受けた。 少し話が逸れているかもしれないが、たとえば私が高校時代に抱いた 「電車とバスの乗り継ぎがしやすい時間にそれぞれの会社が連携してダイヤ改正をしてほしい」 という意見も、ある意味「都市でおこる開発や活動の断片をつなぎ合わせる」 ブリストル・レジブル・シティのプロジェクトや交通のリンケージにつながるのではないか。 ローリンソンさんが述べた「さまざまな主体がまったく別の行動を行っていて、 縦割りに隔離されている」のは日本国内でもよく見られる光景である。 私は、筆頭のイギリスや韓国に続いて日本もダイナミックな変革を興すことで 社会問題深刻化の減速や停止に結びつく期待が持てるのではないかと考えた。 (332字)



ボルドー

要約

 フランス内でも観光地として名高いことで、経済的な問題も生じることなく大きな変革もないまま 「眠れる都市」として佇んできたボルドーが都市再生の成功例として周知されることになった契機はアラン・ジュペにあった。 「私たちはボルドーを愛すべきだ!」と熱く語りかけたボルドーの新市長である彼は、 公共空間政策を中心とした数々の大胆な改革を実行した。のちに都市再生の軸となる「2つの岸プロジェクト」 の実現や、ボルドーの変革を追う展覧会『BX BORDEAUX >1995>2005>2015』の開催や、 市の中心を流れるガロンヌ川と市民生活とを結びつける目的ではじまった「ワイン祭」や「川の祭」 といったイベントなどが執り行われた。かつてガロンヌ川で分断され、開発状況に大きな差があった右岸・左岸の双方が、 彼を中心として進められてきた各種政策によって美しい風景を持ちあわせたことで、 都市景観の変化だけでなくしみんが市の魅力を再認識するきっかけにもなった。 これらの取り組みが、ボルドーという歴史地区全体のユネスコの世界遺産としての認定という形で、まちの誇りとして認められた。(451字)


感想

日本国内では富山県富山市で「富山ライトレール」として先駆けて導入された公共交通システムの根源が、 今回学んだボルドー変革のはじまりともいえるLRTなのだろう。この例にあるように、 現在ボルドーは日本にとどまらず世界中からこれからの社会政策の在り方として注目されている。 しかし、今までの講義で学んできた都市とは違って、かつて経済的な問題(住民や市の貧困)を抱えていたわけでもなく、 そのままのまちでも生活に大きな弊害はなかったのにも関わらず、自然体に変化をもたらす大胆な政策や フェスティバルの実行に踏み切ったのは非常に勇気ある試みだと感じた。結果的に、市民から愛され、 他国からのお手本にもなったボルドーを先導したアラン・ジュペのように、私もいつか社会政策事業を通じて 自分を育ててくれたともいえる地元に貢献したいと改めて思った。(357字)

 

観光リンケージ

要約

特定の地域で観光を振興していく場合、観光客の購買行動や公共交通機関の利用による経済面での利益が期待できる一方で、社会・文化的に見れば自然環境へ悪影響を及ぼすことも理解しておく必要がある。そこで持続可能な観光開発を実現するべく求められるのが、体系的な計画である。その際に役立つと思われるのが全ての分野において「リンケージ」を持つことである。 また、近年の観光開発は、ある一定の地域に見どころの集積をつくることに重きを置かれる傾向が強く、観光客が質の高い経験をするためには、文化・歴史・食や娯楽などの様々な観光資源間の連携が欠かせない。 つまり、観光においての「リンケージ」の概念への注目が集まっている。 とくに今回は構造物、情報、視覚、交通、ストーリー、経済の6つのリンケージをもとに様々な学問領域から論理的根拠を示したことに加えて、2006 年に著者により 執筆された那覇市首里金城地区都市景観形成地域の観光リンケージの再検証を通して今後の展望が論じられている。 (423字)


感想

宮國先生による観光リンケージの再考を読み、改めて「リンケージ」の基礎的な概念や関連する取り組みが注目されている理由を知ることができた。今回は新たなリンケージの手法を編み出すことで、より多方面から持続可能な観光開発の手助けができないか検討した。その結果、聴覚のリンケージもぜひ仲間入りさせられないかという考えに至った。聴覚の場合は、交通のリンケージのような物理的なつながりではなく、記憶との結びつきに注目した。たとえば、三線の音といえば沖縄、ミッキーの声での案内と言えば東京ディズニーリゾートのように(千葉県出身のためこの例を挙げました)、音によるその場所の記憶の定着化は効果的なのではないか。(296字)






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