大ちゃんプロジェクトについて

 こんにちは。私の子どもは知的障害があります。子どもは、現在、沖縄県内小学校の特別支援学級に在籍し、交流学級に通級しています。子どもが小学校に入って特別支援学級に在籍するようになってわかったことは、「特別支援教育」を専門に学んでいたわけではない先生が、ある日、特別支援学級の担任になり、まさに孤軍奮闘?していらっしゃるということでした。一口に「知的障害児」と言っても、障害の程度はさまざまであり、「障害児」ではない子どもたち同様、一人一人が個性をもっています。特別支援学級には学年をまたがって複数の子どもたちが在籍しているため、先生はこれらの子どもたち一人一人に合わせた教材を、既成の教材を手直ししたり、手作りしたりして対応しています。その様子を見て、何か自分にお手伝いできることはないだろうかと考えたのが、このプロジェクトのきっかけです。
 私は日本語教育を専門としていますので、「ことば」の学習に関してなら少しはお手伝いができるのではないかと思いました。たまたま、子どもが通っている「言語の指導」の言語聴覚士の先生が、ことばを教えるのに手書きの絵を用いているのを見て、まず、日常場面での動作を中心とした絵教材を開発して、誰もがダウンロードして使えるようにしようと思い立ちました。幸い、大川さんという美術の専門家の協力を得ることができ、知的障害児にとって「この世界はどのように見えるのか」そして、「描いた絵がどのように見えるのか」について、意見を述べ合いながら、教材作りを進めています。
 この絵教材は、知的障害児の療育や教育に関わる方を利用者として想定していますが、それ以外の子どもたちの教育にご利用いただいても構いません。ただ、「絵」として使用するだけでなく、パソコンに取り込んで動画のようにも使用できるように、動作を細かく描いていますので、作成に時間がかかります。少しずつアップしていくつもりでおりますので、時折このホームページをご覧になり、利用できる絵がありましたら、ご利用いただければと思います。

琉球大学国際教育センター
佐々木 香代子