(1)ヘリポートと隣接することで、辺野古漁港は日常的に事故等の危険にさらされる。普天間基地でも、ヘリコプターの事故は毎年数件起きており<表-1>、漁港周辺は常に危険と隣り合わせを強いられる。
(2)操業禁止区域の拡大による漁獲量の低下は確実である。自然破壊による資源の減少とともに、辺野古周辺での漁業は大幅に制限される。
(3)ヘリポートによる魚群分布の変化が予想され、漁業生産の低下が危惧される。これについては、離発着の轟音によって散逸するという考え方と、逆に暗部への集魚効果があるという考え方がある。魚種によっても異なるものと思われるが、いずれの場合も漁業生産にとっては漁獲不可能となり、マイナスに作用するのは確かである。
(4)生物生産の質的変化は広範囲に影響をもたらす危険がある。辺野古地域のサンゴ礁を要とする生物生産の変化は、単に辺野古地域の生物相を変えるだけでなく、魚類の移動、産卵場の変化など、周辺漁場への波及も十分考えられる。
(5)名護市新総合計画と矛盾する
名護市は平成元年に市の新総合計画を立てた。その中の「水産業の振興」をみると、10年計画において次の内容を含む基本計画(資料参照)を出した。
・今後の生産量拡大(約2倍にする)と人材育成
・漁業環境の整備と漁場の保全・育成
今回のヘリポート計画は、市政策と正反対の方向を指向するものである。