2-2. サンゴについて

2-2-1 現地調査
 リーフの外側と沖合各2点(計4点)を調査した。(調査地図参照)

2-2-2 調査結果


 1) リーフの外側部ではサンゴの白化が多く見られ、1997年より状態は悪かった。1998年の白化現象以降に着生した新生サンゴも、今年、白化している。
 

 2) リーフの沖(基地計画域の最東部付近)には一定の群落があった。
 

 3) 死んだサンゴにトコブシやウニの子どもなど多数の生物が付着していた。このことは、サンゴの死は直接に生態系の崩壊をもたらすのではなく、動物のすみかとなるなど、サンゴは死んでも生態系に重要な役割を果たしていることを意味する。




写真-4 死んだサンゴ(左)と白化途中のサンゴ



写真-5 死んだサンゴ表面に付着した藻類


写真-6 死んだサンゴに付着していた動物(上)



死んだサンゴに付着していた動物と付着状況(上)

2-2-3 政府資料へのコメント

1) 政府が指摘するように、サンゴの白化現象が進んでいる。その原因には、高水温傾向や台風襲来の減少による浄化不足などの気候・気象要因等が考えられる。基地建設は、サンゴ礁の破壊、土砂流出、暗転、汚染物質の漏出などによって、それらの傾向に拍車をかける可能性が強い。また、白化したサンゴ礁は回復可能であるが、基地建設はそれを否定する。

2) サンゴは、たとえ死んでも動物のすみかとなっており、サンゴそのものの保全とともに、他の動物の保護、水産振興の上でも、不可欠の存在である。

3) サンゴ礁(ある場所のサンゴの群集全体)の人為的な移動を政府は対策に挙げているが、極めて困難である。それは藻場以上に難しいことに対する認識が必要である。


調査団の構成 調査目的 調査日程 調査報告 I.調査全体の構想 

(前ページ)II. 調査の方法及び結果  2-1. 藻場について  

(次ページ)2-3. プランクトンについて  

/2-4. ジュゴンについて 2-5. 流れのシミュレーションについて  /2-6. 各工法の安全性について 2-7. 各工法の環境への影響について 2-8. 基地機能拡大と住民の被害について 2-9. その他の重要事項 III. 結論

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