八重山のカエル2種の記載

共同研究者(大学院時代の指導教員)と共に、八重山のヒメアマガエルとリュウキュウカジカガエル集団をそれぞれ Microhyla kuramotoi (ヤエヤマヒメアマガエル)、Buergeria choui(ヤエヤマカジカガエル)として新種記載しました。M. kuramotoi は八重山の固有種で、B. chouiは八重山のほか台湾北西部にも分布します。M. kuramotoiは、近縁種に比べ体が大きく、後肢がやや短く、腹面の斑点(模様)が喉から腹部まで広がるなどの特徴があります。B. chouiは、B. japonica(リュウキュウカジカガエル)に比べ頭部が相対的に小さく、前後肢が相対的に短く、下顎の縁の黒い斑点が多いなどの特徴があります。今回の記載の結果、中琉球(奄美諸島・沖縄諸島)と八重山諸島の両生類には共通種はいなくなり、これまでも指摘されてきたこの2地域の動物相の違いがより際立つ結果となりました。両論文ともオープンアクセスにされていますので、以下のリンクからどなたでもダウンロードできます。

2020.9.5.八重山毎日新聞で、成果を取り上げてもらいました。「八重山 カエル2種が新種と判明 独自の形成過程示す ヤエヤマヒメアマガエル ヤエヤマカジカガエル

Matsui, M., Tominaga, A. 2020. A new species of Buergeria from the Southern Ryukyus and Northwestern Taiwan (Amphibia: Rhacophoridae). Current Herpetology, 39 (2): 160-172. https://doi.org/10.5358/hsj.39.160

Matsui, M., Tominaga, A. 2020. Distinct Species Status of a Microhyla from the Yaeyama Group of the Southern Ryukyus, Japan (Amphibia, Anura, Microhylidae). Current Herpetology, 39 (2): 120-136. https://doi.org/10.5358/hsj.39.120

2020年08月30日