読書と日々の記録2009.09下

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■読書記録: 30日短評10冊 29日『イチローの流儀』 24日『通勤大学MBA〈3〉クリティカルシンキング』 18日『イチローイズム』
■日々記録: 29日大講義での出欠チェック法 24日静岡に出張 18日日常雑記

■今月の読書生活

2009/09/30(水)

 今月は結構本が読めた。読まないといけないような気になったというか...(こんなに読んだのは2005年7月以来4年ぶりだった!) でも,その代わりかどうかは分からないが,仕事はあまり進まないままに9月が終わってしまう。

 今月良かった本は『イチローの流儀』。それと,『生物と無生物のあいだ』も割と良かった気がする。

『のび太・ジャイアン症候群〈2〉―ADHD これで子どもが変わる』(司馬 理英子 1999 主婦の友社 ISBN: 9784072249178 \1,500)

 タイトルを見ると,十数年前にはやった「謎本」みたいで,ちょっとアヤシゲな感じかなあと思っていたのだが,読んでみるとまったくそんなことはなく,とてもいい本だった(そういう意味ではタイトルで損していると思う)。筆者はADHDの子を持つ医者で,ADHDの専門クリニックを開業している。本書の内容も、ADHDの基礎知識から始まり、筆者自身が経験した治療事例、家庭や学校でできること、Q&A集と、とても充実している。治療に対する基本的なスタンスについては、次のように書かれている。「ADHDの治療は、ADHDが原因でいろいろなことがうまくいかず悪循環に陥っているのを、きっかけをつくって少しずつ変化を生み出して、よいサイクルが回るようにすることのような気がします。」(p.82) そのきっかけ作りのひとつが薬物投与で、筆者がどのように薬物の量を決めているか、なんてことも書かれており、興味深い。もちろんそれだけでなく、さまざまな状況に対処するためのさまざまな手立てがたくさん書かれており、親や教師にとってすぐに役立ちそうな良書である。

『クリティカル・シンキング』(岡本・江口 2007 ファーストプレス  \1,200)

 クリティカル・シンキングについての,ごく薄い本(全108ページ)。ただし,丁寧に作られているようで,「関連する書籍を読み込むとともに,ビジネスの現場で使われているテクニックを調べ上げ」(p.107),また原稿を若手ビジネスパーソンに読んでもらって何回か書き直したそうである。それでも薄く仕上がっているのは,デカルトの方法論をベースに,「要素に分解・統合する還元主義と因果関係を中心に,それに関連する概念やテクニックがところどころに書かれている」(p.107)という形でまとめているからのようである。結局扱われているのは,要素への還元,演繹と帰納,フレームワーク(MECE),仮説思考,などである。結果として,よくあるビジネス系クリシン本と大差ない感じに仕上がっている,というのが私の感想である(デカルトの考えが随所に出てくるのはちょっとおもしろいけど)。

『セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側』(吉岡秀子 2007 朝日新書 ISBN: 9784022731340 \740)

 私はコンビニってスーパーみたいなもので,店舗面積の割りに商品の種類が多いとか,営業時間が長いとか,でも値引きはない,という程度の認識だった。しかしどうやらそうではないらしい。セブン−イレブンは売り上げの7割強を食品が占めており,食品の6割はオリジナル商品なのだという。それは,お客に一番近い位置にいるものとして,売り手の論理ではなく消費者のニーズに合わせた商品販売をしたいという願いから,メーカーと共同で開発しているようだ。冷やし中華などは,会長がダメ出しをしていったん商品を取り下げ,11回の試行錯誤の末にようやく店頭に出しているという。ほかにも,サンドイッチに新鮮な野菜をはさむために流通経路を見直したりと,相当にこだわった商品を出しているようだ。本書を読んで,コンビニで食品を買いたくなった(残念ながら沖縄にはセブン−イレブンはないのだが,本書によると,ローソンはおでんのつゆにこだわっていたり,ファミマはデザート開発が進んでいるそうだ)。

『プロフェッショナル・シンキング―松井秀喜・イチローに学ぶ』(児玉光雄 2004 二見書房 ISBN: 978-4576040417 \14,00)

 超一流のプロ選手から,思考について何か示唆が得られるかと思って買ってみたが,残念ながら私にとってはあまりそういう部分で得るところはなかった。しいて言うなら,イチローが「打席ではいつも何かを考えながら微調整しをしています」(p.116)という試行錯誤的な部分と,「いろいろな経験から何を得るか,何を感じながらプレーするかということだと思います」(p.127)という教訓帰納的な部分だろうか。あと,スランプの時には自分自身との対話を重視している,という部分もそれに当たるかもしれないが,それぐらいだった。まあそれでも,超一流選手の考えていることややってきたことなどを知ることは,それはそれで面白くはあるのだけれど。

『教材設計マニュアル─独学を支援するために─』(鈴木克明 2003 北大路書房 ISBN: 4762822442 2,200円)

 再読。独習教材の作り方を思い出すために読み返した。今回ナルホドと思ったのは,(事前・事後テストを作るために)「学習者の行動で目標を表す」(p.28)という指摘。たとえば「三国志についての理解を深める」という目標をを,「三国志のあらすじを自分の言葉で書けるようになる」という「行動目標」に砕くわけだ。まあこれは当然といえば当然のことだが,こういうことをきちんと意識して,おそらくきちんと文章化しておくことが大事なのだろうと思う。また本書では,作った独習教材を「形成的評価」にかけてリニューアルすることを求めているのだが,そのためには,一対一評価,小集団評価,実施テストと3段階で行うことを勧めている(p.116)。こういう指摘も具体的でいい。さらには,そこで問題が見つかった場合,いきなり教材そのものの修正をするのではなく,テストの改善,課題の配列,指導法略の改善など,やるべきことの手順が明確化されており(p.132-),ここも具体的でよい。

『ゴーンさんの下で働きたいですか』(長谷川洋三 2001 日経ビジネス人文庫 ISBN: 9784532190651 \571)

 カルロス・ゴーンについて知りたくて,タイトルだけみて買ってみたのだが,失敗だった。ゴーンについて具体的に書かれているのは1章のみで,あとは,日産とルノーの関係だとか,他社で行われているゴーン的な改革の話だったのだ。そういう本ならそれなりのタイトルにしてくれればよかったのに...

『意思決定入門』(中島一 1990 日経文庫 ISBN: 9784532014254 \830)

 「まえがき」には「できるだけやさしく,またおもしろく意思決定の原則や仕組みをご紹介」(p.3)する本だと書かれているのだが,私にとってはさほどおもしろくは感じなかった。なんでだろう。意思決定はこうでないといけない的な感じがそう思わせるのだろうか。よくわからないのだが。なお本書では,正確な意思決定とは「十分な情報に基づいた合理的な思考の結果である」(p.75)と述べられている。この表現では,批判的思考との差がほとんどないような感じだなあ(それが悪いことなのかそうではないのかはさておき)。

『狂気という隣人―精神科医の現場報告』(岩波明 2004/2007 新潮文庫 ISBN: 9784101305714 \438)

 「精神疾患と犯罪の関係」(p.247)を一つのモチーフにしながら描かれた,精神科医の現場レポート的な内容。「はじめに」には「正常な精神と「精神病」の間には明瞭な差異は存在するのだろうか」(p.11)と書かれており,そういうことが徐々に浮き彫りになるような内容なのかと思って期待して読み進めてみたのだが,そういう話はほとんどなく,ちょっと残念であった。まあそれでも,精神病院の医療スタッフが何をするのかとか,入院患者がどんなふうだとか,スタッフがいかに大変かは分かったので,現場ルポ的な興味は多少は満たされたのだが。

『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』(小宮一慶 2008 ディスカヴァー携書 ISBN: 9784887596214 \1,000)

 タイトルどおり「ビジネスマンのための」本であった。どういうことかというと,「ビジネスに関係する数字」についての数字力養成ということである。たとえばGDP,労働分配率,消費,売り上げ,なんていう数字たちが本書の中心になっているのである。そうやってターゲットを絞るのはきわめて有効な戦略といえるが,そのターゲットから外れた人はあまり学べない,という欠点は生じる(それを承知で買ったので文句はないが)。

『昭和の名将と愚将』(半藤一利・保坂正康 2008 文春新書 ISBN: 9784166606184 \760)

 昭和の戦史に詳しい二人の対談。13人の名将と9人の愚将が扱われている。知っている人の話は興味深いが,そうでもない人が多いので私にはイマイチだった。半藤氏が名将の条件を論じているが,その中の「情報を自らの目や耳で掴む人」「過去の成功体験にとらわれないこと」というのは,さもありなんと思った。

■『イチローの流儀』(小西慶三 2006/2009 新潮文庫 ISBN: 9784101373713 \400)

〜反省的思考者としてのイチロー〜
2009/09/29(火)

 オリックス番記者としてイチローを1994年から取材しており,個人的趣味に近い形でその後も継続的にインタビューを続けており,メジャーリーグでのイチローの試合はおそらくもっとも多く見て取材している記者による,イチローの本。さすがイチローのことをよく知っているという感じがする。

 先日読んだ『イチローイズム』ではあまり感じなかったのだが,本書で感じたのは,反省的思考者としてのイチローの姿である。たとえばイチローは,一日の反省をグラブを磨きながら次のようにやるという。「昨日試合後に何を食べたか,よく眠れたのか,というところから,実際にゲームが終わるまでに起こったすべてのことをよく振り返って考えてみる」(p.13) まあ試合後の振り返りはプロ選手なら誰でもやるのかもしれないが,「昨日の試合後に食べたもの」も含め,本当にすべてを振り返っているようで,なかなかすごい。

 おそらくこのような振り返りを通して答えを得たであろうことが,本書には書かれていた。それは2002年6月。成績は大リーグ2年目で自己ベストの3割8分4厘で固め打ちも何度も行っていた時期である。きちんとスイングできているのに打球が予想と違う飛び方をするケースが増えており,打撃感覚にかすかなズレを感じていた。それが上体の固さから来ていることは分かったのだが,ではどうすればその力を抜くことができるのか。3ヶ月近く試行錯誤した末,「ひざの力を抜けば上半身の固さがとれる」ことを見出している。

 またイチローは,あらゆる可能性を考えて次に備える,ということも行っている。たとえば1998年には,スケジュールのハードなメジャーリーグに行くことを意識して,「眠らずに試合に出る」という試みをしており,思った以上に普通にやれることを確認している。あるいは,あるときは試合前の打撃練習を行わずに試合に臨んだり(それでもホームランを打ったのだそうだ),わざと2ストライクまで追い込まれてからどれだけ力が出せるかを試したりしている。

 こうやってみると,イチローのすごさは,あらゆる可能性を考えること,ヒットが打てたかどうかなどという結果とは無関係に自分の感覚を常にチェックし,その結果を反省的に考え,試行錯誤して自分なりの答えを得ていること,などから来ているようだ。そしてその中核にあるのは,反省的思考といえるのではないかと思った。

大講義での出欠チェック法

2009/09/29(火)

 とある知り合い(大学院生)が悩んでいたので,私のやり方を振り返ってみました。

 一番簡単なのは座席固定方式でしょうね。前に専門学校で教えていたときにやっていました。初回に座席表(白紙に座席枠のみ印刷したもの)を回して自分の場所に名前を書いてもらえば座席表ができますので,次回以降はそれで空席をチェックすればすみますよ。

 大学で私が長いことやっていたのは,ラジオ体操方式。学生には各自,スタンプカードみたいなものを持たせ,毎回の授業時に,私がそれにスタンプを押して回ります(単なるスタンプカードではなく,下記の大福帳のように授業の感想を数行書けるようにすると,あとで見る楽しみができます)。このやり方だと,150人でも5分もかかりません(その間,学生には考える課題を与えておくといいでしょうね)。ちなみにスタンプは注文品(シャチハタ?)で,私の名前と日付が入っているので,まあ偽造は難しいでしょうね。ただこのやり方だと,印鑑をもらった直後に逃亡する学生がでます。その学生をあぶりだす手はもちろんありますが,そんなことばっかり考えていると,授業が楽しくなくなるのが難点です。

 現在やっているのは,大福帳+ワークシート方式。大福帳(三重大学の先生が提唱しているやつ。こちらに紹介記事あり)は,A4表裏で15回分の授業の感想が書けるようになっています。毎回それを授業冒頭で配布し,授業の最後に書かせてから集めます。これだけだと代筆は可能なわけですが,私の授業では毎時間,4〜5人のグループになって話し合いをさせており(15分程度),ワークシートに他メンバーの名前とその人の考えを書きこみながら考えさせるようにしています。授業最後には,大福帳と一緒にそれも出させるようにしています。ワークシートまで偽造するのは大変ですから,代返は無理だろうと思います(私の授業では,話し合いの結果を毎回1割の学生をランダムに当てて発表させますので,代返するときはそこまでカバーしてあげないといけないし...)。

 私もこのやり方にたどり着くのに15年かかりましたので,いろいろ試行錯誤してみてください(^_^;)

■『通勤大学MBA〈3〉クリティカルシンキング』(青井倫一(監) 2002 総合法令(通勤大学文庫) ISBN: 9784893467591 \780)

2009/09/24(木)

 2ページ1テーマで書かれたクリシン本(どこかで見たことのあるようなつくりだ...)。ずっと以前に購入していたのだが,なんとなく読む気がしなくて放っていた。まあでもせっかくだから,と読んでみたら,意外と悪くない感じがした。というのは,ビジネス系クリシンの概要がなんとなくつかめるようなつくりになっていたからだ。

 まず本書ではクリティカルシンキングを,「物事を客観的,論理的に考え,それを相手にわかりやすく伝えるための思考方法」(p.18)と定義している。この定義がいいかどうかはさておき,本書ではクリティカルシンキングをこのように捉えているのだなあ,と理解した。で後は,論理の基礎,論理の整理,アウトプットでの活用,という3部構成になっている。なかなかシンプルで良い。

 第一部(論理の基礎)で扱われているのは,ゼロベース思考,演繹と帰納,その他(「なぜ」を繰り返す,軽率な判断に留意する,など)となっており,ちょっと雑多な印象がある(まあたいていの本はこんなものなんだろうけども,それぞれの概念の間の関係が見えるといいのになあ,と私は思ってしまう)。

 第二部(論理の整理)で扱われているのは,MECE(モレなくダブリなく)とフレームワーク思考の2つ。フレームワーク思考って何なのかよくわかっていなかったのだが,ファシリテーションの本にときどき出てくる「SWOT分析」のようなものがフレームワーク思考なのだということが分かった。これは要するに,ある事柄(たとえば経営環境の分析)をモレなくダブリなく行うための枠組みであり,それを使って遺漏なく考えることがフレームワーク思考ということだ。フレームワーク思考といってもこういう特殊な(?)ものだけでなく,「質・量」とか「事実・価値」とか「長所・短所」とか「過去・現在・未来」なんていうものも,要するにある事柄をモレなくダブリなくチェックするためのフレームワークになるわけで,フレームワーク思考に含まれている。本書のおかげで,フレームワーク思考を自分の日常レベルで理解できたし,それとMECEの関係も分かったのは非常に良かった。

 第三部(アウトプットでの活用)で扱われているのは,ロジックツリーとピラミッド構造。ロジックツリーは原因追究と問題解決に使えるということで,その概要と事例が挙げられている。ピラミッド構造は,相手にとって分かりやすい文章を書くため,という位置づけで,バーバラ・ミントの『考える技術・書く技術』をベースに書かれている。それぞれはまあわかるとしても,できたら両者の関係がわかるといいなと思った。というのは,ツリーもピラミッドも,基本は同じ構造だと思うのだ。それらを別の名前で呼び,別に扱うのは,そうする理由が何かあるのだろうか。そしてそれらの関係はどう考えればいいのだろうか。そういう話は一切ないので,これに関しても第一部と同じように,雑多というか断片的な印象を受けた。

 というわけで細部に不満は残るものの,ビジネス系クリシンの各種概念の理解が多少進んだという意味では悪くない本であった。

静岡に出張

2009/09/24(木)

 せっかくの連休なのに,3日間は学会出張でつぶれてしまった。

 学会があったのは静岡。最近,沖縄−静岡線ができたので,それに乗ったのだが,静岡空港から駅前まで,バスで1時間。といっても高速道路(東名)は混んでいたので,実際には1時間15分ぐらいかかった。結構遠い。

 静岡名物は,おでんらしい。たしかに味くーたーな煮汁で,おいしいというか面白いというか。ついでに,焼酎を緑茶で割った「静岡割り」なるものもあった。特定の居酒屋のみかと思ったらそうではなく,2日目に行ったところにもあったので,ごく一般的なものなのかもしれない。なんか悪くない感じの味だった。

 生まれて初めて静岡に降り立ったのだが,残念ながら,富士山を見ることはできなかった。曇っていたので。帰りは羽田経由で帰ったので,山側に座って見ていたのだが,まったく見えなかった。残念(たぶん富士山を近くで見たのって,ずーっと前に新幹線で東京に行ったとき1回きりかもしれない。神奈川から遠くの富士山がうっすらとみえた,ということはあったけど)。

 学会の開催のされ方なんかを考えると,静岡県に行くのって,これが最初で最後かも,と思った。その割にはなーんの観光もできなかった...

■『イチローイズム―僕が考えたこと、感じたこと、信じること』(石田雄太 2003/2008 集英社文庫 ISBN: 9784087463231 \552)

2009/09/18(金)

 イチローのインタビュー集。すべてのインタビューを通してイチローがファンに伝えたかったことは,「僕の行動には常に意味がある」(p.262)ということだそうだ。確かに彼はいろんなことをきちんと説明している。しかしそれだけでなく,彼は,「体が欲するままに練習をする」(p.20)というように,感覚的なものも非常に大事にしており,面白いなと思った。

 それ以外に彼が大事にしているなと感じたのは,自分を評価する観点を自分でしっかり持っていること(他人に惑わされたくないと思っていること)。それはたとえば,去年首位打者を取ったから今年も取ってほしいとか,狙うべきとか,首位打者を取ることに価値があるというような雑音に対する考え方のようだ。そのことについてイチローは,次のように述べている。「(首位打者というだけですごいと思ってしまうような)そういう価値観を,僕が彼ら(多くの人)に負わされるわけにはいかないんですよ。世の中の流れに乗ってしまうことの怖さ,何が大事なのかということは,自分で知っておかなければいけません。」(p.94)

 あるいは別の箇所でも,「僕がそういう(他人との比較で生まれてくる)価値観の中に自分を見出すわけにはいかないんです。〔中略〕僕らが長い間,プレーをし続けようと思ったら,そんなところに目をやっていられないんです。」(p.221)とも述べている。これって,野球だけに限らず,ブレずに人生を生きていくためには大事なことだと思った。

 なおイチローは中学生のころは,監督のいうことを聞かなかったのだそうだ。それは,監督とは自分の形にはめたがるというイメージを持っていたからなのだが,「でも今は,まず聞く自分がいる。しかも,それをさらに振り分ける自分もいます。」(p.234)と述べている。自分の価値観をしっかりともち,その上で人の意見も聞き,しかし振り回されないように振り分ける。なんだか最強かも,と思った。

日常雑記

2009/09/18(金)
 教育実習
今年もうちの学科の学生を中心に,教育実習を見に行った。初めのころはなかなか苦労しているが,後半は,苦労しつつもそれなりの振る舞いを身につけている人もいるのがなかなか興味深かった。
 科学作品展
去年に引き続き,今年も地区の児童生徒科学作品展に行った。上の娘(小5)の作品が出展されていたからだ。こういう場所でいろいろな作品を見るのはおもしろい。今回見ていて思ったのは,同じテーマで,方法論も悪くないものなのに,一方は受賞しており他方は受賞していないものがあったのが不思議だった。
 仕事
今年の夏休みはやることが多く,なんだかちっともやりたいことがやれていない。そうこうするうちにもう10月が近づいている。
 ビール
最近,帰宅後のビールがイマイチである。理由ははっきりしていて,徒歩で帰ってもあまりダラダラと汗をかかなくなったからだ。暑さが弱まっているのはいいけれど,ちょっと悲しい。
 暑さ
暑さといえば,真夏と同じく今でも,真夏日の熱帯夜なのに,午前中の気温の上がり方が鈍いことに気づいた(Googleデスクトップのガジェットで,リアルタイムに気温を表示していて気づいたのだ)。午後に30度を切るのも早くなっているし。最高と最低は変わらず,変化の勾配だけが変わっているって,なんだか不思議だ。

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